AIで日本語の学術論文を英訳するー自分の日本語論文を翻訳させてみる(ChatGPT編1-1)

現在のChatGPTにはPDFファイルやWordファイルをアップロードすることができます。

そこでここでは、私が50年前に書いた佐野正博(1983)「物理学における主観と客観の問題」『看護研究』Vol.16 No.3、pp.7-13という論文を英訳させてみた結果を紹介します。

その一覧のやりとりは、下記で見ることができますが、ここでは簡単にその概要を紹介します。
https://chatgpt.com/share/c4ae131b-5b06-46d4-b66a-3f84e0d972c7

PDFファイルをアップロードし、「添付ファイルで私の論文を送ります。英語に翻訳してください。」というプロンプト文を与えた結果は、「ファイルが長いため、内容が一部省略されていますが、提供された内容に基づいて論文の英訳を進めます。まず、主要な見出しと一部の内容を英訳します。」という回答がまずは返ってきました。

これは、「テキスト生成AIにおける最小処理単位「トークン」ーなぜ日本語文よりも英語文の方がより詳細な回答となるのか?」で紹介したように、WEB経由での対話的やりとりによる利用では、「1回のプロンプトで与えることができる情報量」だけでなく、「1回の回答で返される情報量」にもかなり強い制約があるためです。

 そのため、今回のように長文のPDFファイルに対する回答は、上述のhttps://chatgpt.com/share/c4ae131b-5b06-46d4-b66a-3f84e0d972c7に示したように、「第1ページ目を英語に翻訳してください。」、「第2ページ目を英語に翻訳してください。」、「第3ページ目を英語に翻訳してください。」・・・というように、逐次的にプロンプトを与えることで処理をしました。

なお今回の論文程度の分量であれば。「生成を続ける」というボタンを何度か押す必要がありますが、「英訳の全文を表示してください。」というプロンプト文を与えることで英訳文全体を取得することができます。

その結果は、下記に示した通りです。

 

 現行の生成AIでは、プロンプト文で意図した通りの結果が生成されるとは限りませんし、思わぬ間違いが含まれることもあります。それゆえ実務における利用に際しては、回答結果に関する念入りなチェックが事前に必要です。
(例えば、上記の英訳作業においても、第1節の前の冒頭の4つの文章は最初は英訳されていませんでしたので、追加で英訳の指示をおこなっています。)

 

 その英訳内容についての詳しい検討結果は、次稿の「AIで日本語の学術論文を英訳するー自分の日本語論文を翻訳させてみる(ChatGPT編2)」で紹介します。

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AI研究室の新規追加室員

コスモピア株式会社AI研究室の室員として2024年9月より下記2名が新たに加わりました。
 
  1. 佐野悠介:コスモピア株式会社eステ事業部長、GAS/Pythonエンジニア
  2. 藤森智世:SDGsライター、生成AI活用ライター
    (現在、『多聴多読マガジン』で「AI時代のアプローチ 自分仕様の英語教材をつくる」を連載中)
 
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藤森智世「生成AIで信頼できる情報を集める」(AIを思考のパートナーに!その1)『多聴多読マガジン』2024年10月号

藤森智世先生の『多聴多読マガジン』連載記事の第3弾「生成AIで信頼できる情報を集める」『多聴多読マガジン』2024年10月号,pp.108-113の記事を下記で全文ダウンロードできます。

 
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生成AIによるレポート作成(その2-2)-課題に基づく内容構成の検討(Perplexity AI-GPT4o編2)

Perplexity AIは、2024/6/29現在、日本語プロンプト文に対して、基本的には日本語で書かれた資料を用いる設計にデフォルトではなっているようです。

英語で書かれた資料を探したい場合には、「英語で書かれた参考資料を教えて下さい。」といった追加のプロンプト文を与える必要があります。そのように指定すると、下記に示したように数多くの有益な英語資料の情報を得ることができます。

なおPerplexity AIの場合には、ChatGPTとは異なり、実在するWEB情報を返すようになっています。

参考資料のWEB情報に関して、Perplexity AIの回答内容のクリップボード経由でのコピーで直接的に得ることができるのは残念ながら現時点ではURL部分だけです。
 そのため下記の紹介に当たっては、GoogleスプレッドシートのIMPORTXML関数を用いてWEBタイトルを取得しました。すなわち、Googleスプレッドシートのセルに、=IMPORTXML(××,”//title”)[××の部分は、URL情報が記載されたセルを参照している]という記述をすることでWEBページの情報を取得しています。ただしPDFファイルなど一部のURLに関しては、そうした方法で適切なタイトル情報を取得できないため、手作業で入れています。

Perplexity AI-GPT4o版による回答例


https://www.perplexity.ai/search/yuan-zi-li-noshe-hui-de-li-yon-.TtaEmnQSz2SMIoHB4FnBQ#1

原子力の社会的利用に関する推進論と批判論の歴史的展開について英語で書かれた参考資料をいくつか紹介します。

  1. Nuclear Power Debate – Wikipedia:

    • このページでは、原子力発電のリスクと利益に関する長年の議論について詳述されています。特に1970年代と1980年代に議論がピークに達し、2010年代には気候変動に対する意識の高まりとともに再び議論が活発化したことが述べられています[1]。
     
  2. Nuclear Energy in Europe: Who is for and against it and why? – Euronews:

    • ヨーロッパにおける原子力エネルギーの支持者と反対者についての詳細な分析が提供されています。福島事故以降のヨーロッパの状況や、各国の原子力エネルギーに対する立場が説明されています[2]。
     
  3. Literature Review on Public Acceptance of Nuclear Energy – Bulletin of Chinese Academy of Sciences:

    • 原子力エネルギーに対する公衆の受容に関する文献レビューが行われています。特に中国と海外の研究を統合し、既存の研究のギャップと今後の研究方向について議論しています[3]。
     
  4. The Nuclear Debate – World Nuclear Association:

    • 原子力発電の利点と課題についての包括的な議論が行われています。気候変動対策としての原子力の役割や経済的な側面、安全性についても触れられています[5]。
     
  5. Advantages and Challenges of Nuclear Energy – U.S. Department of Energy:

    • 原子力エネルギーの主な利点と現在の課題についての概要が提供されています。特にクリーンエネルギー源としての役割や、雇用創出、国家安全保障への貢献について述べられています[17]。
     

これらの資料を参考にすることで、原子力の社会的利用に関する推進論と批判論の歴史的展開についての理解を深めることができます。

Citations:

[1] Nuclear power debate – Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Nuclear_power_debate
[2] Rizvi,O.(2023)”Nuclear energy in Europe: Who is for and against it and why?” 2023 /12/23
https://www.euronews.com/business/2023/12/23/nuclear-energy-in-europe-who-is-for-and-against-it-and-why
[3] Juan、D., Xufeng,Z. “Literature Review on Public Acceptance of Nuclear Energy: Research Out”
https://bulletinofcas.researchcommons.org/journal/vol34/iss6/8/
[4] Wachtel, I.(2023) “Nuclear Power as a Clean Energy Solution? The Debate Heats Up” USC Dornsife Magazine, 2023/6/15
https://dornsife.usc.edu/magazine/2023/06/the-nuclear-debate/
[5] The Nuclear Debate – World Nuclear Association
https://world-nuclear.org/information-library/current-and-future-generation/the-nuclear-debate
[6] Bonev, P. et al. (2024) “Nuclear waste in my backyard: Social acceptance and economic incentives,” Energy Policy,185(February 2024)
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0301421523005645
[7] “Q&A: Public Opinion of Nuclear and Why it Matters to the Clean Energy Transition | IAEA”
https://www.iaea.org/newscenter/news/qa-public-opinion-of-nuclear-and-why-it-matters-to-the-clean-energy-transition
[8] The Arguments For and Against Nuclear Energy – ASU Prep Digital
https://www.asuprepdigital.org/student_blog/the-arguments-for-and-against-nuclear-energy/?seq_no=3
[9] “Sustainability | Free Full-Text | How Social Impressions Affect Public Acceptance of Nuclear Energy: A Case Study in China”
https://www.mdpi.com/2071-1050/14/18/11190
[10] The Nuclear Debate
https://www.futurelearn.com/info/courses/climate-change-the-solutions/0/steps/121526
[11] 10 Reasons to Oppose Nuclear Energy | Green America
https://greenamerica.org/fight-dirty-energy/amazon-build-cleaner-cloud/10-reasons-oppose-nuclear-energy
[12] “The Social Acceptance Challenge,” National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine. (2023) Laying the Foundation for New and Advanced Nuclear Reactors in the United States. Washington, DC: The National Academies Press. Chapter: 8
https://nap.nationalacademies.org/read/26630/chapter/10
[13] “Stewart Brand + Mark Z. Jacobson: Debate: Does the world need nuclear energy? | TED Talk”TED2010, February 2010
https://www.ted.com/talks/stewart_brand_mark_z_jacobson_debate_does_the_world_need_nuclear_energy/transcript
[14] Char,N.L., Csik, B.J. (1987) “Nuclear power development:History and outlook – Events have changed the global prospects for nuclear power,” IAEA BULLETIN, 3/1987, pp.19-25
https://www.iaea.org/sites/default/files/publications/magazines/bulletin/bull29-3/29304781925.pdf
[15] Čábelková,I. (2021) “The social acceptance of nuclear fusion for decision making towards carbon free circular economy: Evidence from Czech Republic” Technological Forecasting and Social Change, 163,
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0040162520313032
[16] BBC Learning English – 6 Minute English / How green is nuclear energy?
https://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/features/6-minute-english/ep-211125
[17] Advantages and Challenges of Nuclear Energy | Department of Energy
https://www.energy.gov/ne/articles/advantages-and-challenges-nuclear-energy
[18] “How Social Impressions Affect Public Acceptance of Nuclear Energy: A Case Study in China”
https://www.researchgate.net/publication/363402070_How_Social_Impressions_Affect_Public_Acceptance_of_Nuclear_Energy_A_Case_Study_in_China
[19] Lesson Plan | Nuclear Energy: What’s Your Reaction?
https://www.calacademy.org/educators/lesson-plans/nuclear-energy-whats-your-reaction
[20] “7 reasons why nuclear energy is not the answer to solve climate change | One Earth”
https://www.oneearth.org/the-7-reasons-why-nuclear-energy-is-not-the-answer-to-solve-climate-change/

Perplexity AIにおける参考資料表示画面
Perplexity AIは、他のテキスト生成AIとは異なり、回答の生成に用いた資料を下記の図のような形で別表示できる点で優れています。ただし大変に残念なことに、この別表示画面の内容を簡単にダウンロードできるような設定になってはいません。

<

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音声マークアップ言語SSML(Speech Synthesis Markup Language)

AI音声読み上げのための細かな指示を、テキスト文でできるようにしたものが音声マークアップ言語SSML(Speech Synthesis Markup Language)です。

SSMLは、Webページの記述言語であるHTML(HyperText Markup Language)と同じように、「開始」タグ(opening tag)と「終了」タグ(closing tag)の組み合わせで記述するスタイルを取っています。

 
  1. SSMLの仕様の詳細は下記WEBページにあります。
     
  2. Google作成のリファレンスが下記WEBページにあります。
    Google 「音声合成マークアップ言語(SSML)」ホーム>Cloud Text-to-Speech API>ドキュメント>リファレンス
    https://cloud.google.com/text-to-speech/docs/ssml?hl=ja

    ただ残念なことに、本リファレンスは、W3Cの仕様詳細のかなりコンパクトな説明です。きめ細かい指示をするためには、W3Cの仕様詳細を読む必要があります。

     
  3. SSMLの詳細は、上記をご覧いただければと思いますが、SSMLを用いることで、読み上げの「ピッチ」(音の高低)、「発話速度」、「音量」などのカスタマイズが可能です。
    1. 例えば、下記のように記述すると、通常より半音2つ分低く、ゆっくりとした読み上げになるとのことです。

       <prosody pitch=”-2st” rate=”slow” >Can you hear me now?</prosody>
       
          pitch=”-2st” が「ピッチ(音の高低)を半音2つ分低くする」指示です。
          rate=”slow” が「ゆっくりと読み上げさせる」指示です。

      なお、 ピッチ(音の高低)、発話速度に関する指示 prosodyの詳細は、
      下記に説明があります。
      https://www.w3.org/TR/speech-synthesis11/#S3.2.4

       
    2. 音量については、相対的指示( 例:”x-low”, “low”, “medium”, “high”, “x-high”)だけでなく、デシベル単位での細かな指示(例:+6.0dB)も可能なようです。
      強調・非強調といった音量に関する指示emphasisの詳細は下記にあります。
      https://www.w3.org/TR/speech-synthesis/#S3.2.2
       

  4. SSMLを用いた音声読み上げ指示の具体例に関して、本サイトでは下記で具体例を紹介しています。
    1. 音声合成マークアップ言語(SSML)の利用例1-日本語による「AIに関するピーターパンとアラレちゃんの仮想対話」
    2. 音声合成マークアップ言語(SSML)の利用例2-英語による「AIに関するピーターパンとアラレちゃんの仮想対話」


上記は生成AIに作成させたイラスト図です。

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生成AIによるレポート作成(その2)-課題に基づく内容構成の検討(Perplexity AI-GPT4o編)

 ここでも引き続き、レポート作成作業において「生成AIがどの程度まで使えるのか?」「どのように使うと良いのか?」に関して、「原子力の社会的利用をめぐる推進論と批判論の歴史的展開」(Historical Development of Arguments for and against Civilian/Non-Military Use of Nuclear power)課題を例に取り、具体的に詳しく見ていくことにしよう。

 

別掲記事で論じているように、生成AIに与えるプロンプト文は必ずしも文章である必要はない。というのも、WEBインターフェースであれ、API経由であれ、生成AIに与えたプロンプト文は、実際に生成AIに処理させる段階でトークン(token)≒単語に分解されるからである。
 なおトークン消費量は英語文の方が日本語文よりも少ない。生成AIでは1回のやりとりで利用可能なトークン消費量に上限があるため、トークン消費量がより少ない英語文で質問した方がより長い質問が可能となる。また英語文での回答の方がより詳細な回答が一般的には生成される。

 

 そうしたことが実際にどうであるのかに関して、「原子力の社会的利用をめぐる推進論と批判論の歴史的展開」という日本語で与えた場合と、”Historical Development of Arguments for and against Civilian/Non-Military Use of Nuclear power”という英語文で与えた場合の具体例は下記の通りである。
Perplexity AIでは、日本語プロンプト文では日本語の文献資料があった場合には日本語の文献資料を、英語プロンプト文では英語の文献資料を利用しながら回答を生成する設計になっているようである。
 なお下記サンプル例に見られるように、英語での回答の方がより情報量の多い回答になっている。

 
【注】

  1. 同じPerplexity AIであるが、テキスト生成エンジンが異なると、回答が下記のようにかなり異なる。GPT4o版の本回答の方が、Claude 3 Opus版よりも数多くの資料を挙げており、より情報量の多い回答となった。
     ただし、Open AIのChatGPT-4oによる回答との比較では、残念ながらOpen AIのChatGPT-4oの方がより優れた回答である。

  2. 「原子力の社会的利用をめぐる推進論と批判論の歴史的展開」という題目に関連する研究が日本では相対的に少ないことを反映し、日本語プロンプト文で挙げられている14個の参考資料の内、筆者関連以外のものは3個しかない。こうした結果となったのは、回答の生成に際して特段の指示を出した結果ではない。https://www.perplexity.ai/search/.TtaEmnQSz2SMIoHB4FnBQ#0に示されているように、新しいスレッドの中で、単に「原子力の社会的利用をめぐる推進論と批判論の歴史的展開」という語句をプロンプト文として与えた結果に過ぎない。
     なお「英語で書かれた参考資料を教えて下さい。」という追加のプロンプト文の結果は、下記WEBページの通りである。

 
  1. 日本語プロンプト文に対するPerplexity AI – GPT4o版による回答例(1)
  2. 英語プロンプト文に対するPerplexity AI – GPT4o版による回答例(1)
日本語プロンプト文に対するPerplexity AI-GPT4o版による回答例(1)
 
原子力の社会的利用をめぐる推進論と批判論の歴史的展開についての研究は、原子力技術の発展とその社会的受容に関する多角的な視点から行われています。以下にその概要を示します。

 
研究の背景と目的

この研究は、原子力の社会的利用に関する推進論と批判論の歴史的展開を明らかにすることを目的としています。具体的には、原子物理学、原子力工学、原子力技術史、エネルギー問題、公害・環境問題、地球温暖化問題などの視点から、原子力発電所および関連施設における重大事故(スリーマイル島、チェルノブイリ、福島第一原発事故など)や原発の経済性・営利性に関する議論の歴史的展開を分析します[1][2]。

 
研究の進展と成果
資料収集とデジタル化

研究の一環として、関連資料・文献の収集とスキャニング、OCR処理による全文検索可能なデジタル資料化が行われています。これにより、研究成果のオープンアクセス化が進められ、研究室のウェブページを通じて公開されています[1][2]。

歴史的展開の分析

20世紀中の原子力利用に関する推進論と批判論の歴史的展開については、日本科学史学会技術史分科会発行の雑誌『技術史』において包括的に紹介されています。これには、「原子力発電実用化前の原子力利用推進論」や「技術史・技術論視点から見た原子力発電文献ガイド」などが含まれます[1][2]。

福島原発事故以後の変化

現在の研究では、福島原発事故以後の原子力発電をめぐる論争点の変化や、原子炉の小型化による相対的な安全化、原子炉の長寿命化を目指す次世代原発論などの問題が取り上げられています。これにより、原子力発電をめぐる擁護論と反対論の現代的展開が分析されています[1][2]。

 
具体的な研究内容
原子力の「軍事」的利用と「産業」的利用

20世紀前半における原子力の社会的利用推進論は、軍事的利用と産業的利用という二重性を持っていました。被爆国日本における原発の社会的受容に関しては、科学・技術の「善用・悪用」二元論が重要な役割を果たしました[3][5]。

アメリカの核戦略と日本の原子力開発

アメリカの核戦略の下で、日本の原子力開発政策は政治主導で進められ、科学者の自主性が軽視される傾向がありました。これにより、原子力開発の解禁とともに、政財界の現実路線が優先されるようになりました[3][5]。

経済性と安全性のバランス

原子力技術の形成においては、経済性と安全性のバランスが重要な課題となりました。これにより、原子力発電の社会的普及プロセスが進展し、社会的投資が促進されるための正当化論が展開されました[3][5][14]。

 
結論

原子力の社会的利用をめぐる推進論と批判論の歴史的展開は、技術的、経済的、社会的な多角的視点からの分析が必要です。これにより、原子力発電の現代的な課題や将来の展望についての理解が深まります。

 

Citations:
[1] 佐野正博「原子力の社会的利用をめぐる推進論と批判論の歴史的展開」(KAKENHI-PROJECT-16K01168)国立情報学研究所『科学研究費助成事業データベース』
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16K01168/
[2] 「佐野 正博 (Masahiro Sano) – 原子力の社会的利用をめぐる推進論と批判論の歴史的展開 日本学術振興会 科学研究費助成事業」科学技術振興機構『researchmap』マイポータル
https://researchmap.jp/sanomshr/research_projects/45024157
[3] 原発史研究会編『日本における原子力発電のあゆみとフクシマ』に関する晃洋書房の紹介ページ
https://www.koyoshobo.co.jp/book/b355343.html
[4] 石田雄(2012)「原発事故で痛感させられた社会科学者の社会的責任-何をどうぶんせきするか」【特別寄稿】福島原発事故から考える日本の社会問題『大原社会問題研究所雑誌』641、pp.1-9
http://oisr-org.ws.hosei.ac.jp/images/oz/contents/641-01.pdf
[5] 日本における原子力発電のあゆみとフクシマ | 東京工業大学附属図書館 蔵書検索
https://topics.libra.titech.ac.jp/recordID/catalog.bib/BB2581890X?caller=xc-search&hit=9
[6] 吉岡斉(2011)『新版 原子力の社会史-その日本的展開』朝日選書
https://www.amazon.co.jp/新版-原子力の社会史-その日本的展開-朝日選書-吉岡-斉/dp/4022599839
[7] 青水司(2019)「原発と「科学・技術至上主義」批判-科学・技術の二面性の視角から」『大阪経大論集』70(1),pp.71-90
https://www.i-repository.net/il/user_contents/02/G0000031Repository/repository/keidaironshu_070_001_71-90.pdf
[8] 「佐野 正博 (Masahiro Sano) – 原子力の社会的利用推進論の20世紀前半における歴史的展開」科学技術振興機構『researchmap』マイポータル- 論文
https://researchmap.jp/sanomshr/published_papers/33414286
[9] 「佐野正博 2018 年度 実施状況報告書」国立情報学研究所『科学研究費助成事業データベース』(KAKENHI-PROJECT-16K01168)
https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-16K01168/16K011682018hokoku/
[10]佐野正博「原子力に関する社会的イメージの歴史的形成」『学術の動向』2014年3月号,pp.56-59
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/19/3/19_3_56/_pdf
[11] 「Sano Masahiro」科学技術振興機構『J-GLOBAL』掲載 研究者情報 英語版ページ
https://jglobal.jst.go.jp/en/detail?JGLOBAL_ID=200901041463056672
[12] 慶應義塾大学図書館検索システム-原発史研究会『日本における原子力発電のあゆみとフクシマ』
[13] 原発史研究会『日本における原子力発電のあゆみとフクシマ』
[14] 兵藤友博、佐野正博、横田陽子、田中光彦、木本忠昭(2014)「公開シンポジウム報告「原子力発電の社会的普及プロセスの歴史的検討」」『科学史研究』53(269),pp.107-110
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhsj/53/269/53_107/_pdf

 
 

英語プロンプト文に対するPerplexity AI-GPT4o版による回答例(1)

The historical development of arguments for and against the civilian or non-military use of nuclear power has evolved significantly since the end of World War II. This evolution can be traced through various phases, reflecting changes in technological capabilities, political contexts, and public perceptions.

 
Early Enthusiasm and Legislative Foundations (1940s-1950s)
Proponents’ Arguments

After World War II, there was significant enthusiasm for the peaceful applications of nuclear energy. The Atomic Energy Act of 1946 marked a pivotal moment by transferring control of nuclear technology from military to civilian hands, establishing the Atomic Energy Commission (AEC) to oversee both military and civilian uses of nuclear energy[3][7]. Proponents argued that nuclear power could revolutionize energy production, offering a virtually limitless and clean energy source. President Dwight D. Eisenhower’s “Atoms for Peace” speech in 1953 encapsulated this optimism, suggesting that nuclear energy could be a boon for humanity if harnessed for peaceful purposes[1][10].

Opponents’ Concerns

Despite the optimism, there were early concerns about the potential risks associated with nuclear power. Critics worried about the safety of nuclear reactors, the potential for accidents, and the long-term management of radioactive waste. The Atomic Energy Act of 1954, which aimed to promote the commercial use of nuclear power, also included provisions for public health and safety, reflecting these concerns[1][11].

 
Expansion and Controversy (1960s-1980s)
Proponents’ Arguments

During the 1960s and 1970s, nuclear power was seen as a solution to the growing energy demands and a way to reduce dependence on fossil fuels. The construction of numerous nuclear power plants during this period was driven by the belief that nuclear energy could provide a stable and reliable source of electricity. Proponents highlighted the environmental benefits of nuclear power, particularly its low greenhouse gas emissions compared to coal and oil[2][4].

Opponents’ Concerns

However, the expansion of nuclear power also sparked significant opposition. The anti-nuclear movement gained momentum, particularly after high-profile accidents such as the Three Mile Island incident in 1979 and the Chernobyl disaster in 1986. These events underscored the potential for catastrophic accidents and heightened public fears about nuclear safety. Critics also pointed to the high costs and long construction times of nuclear plants, as well as the unresolved issue of nuclear waste disposal[2][6][8].

 
Renewed Interest and Ongoing Debate (1990s-Present)
Proponents’ Arguments

In recent decades, the debate over nuclear power has been influenced by concerns about climate change and the need for low-carbon energy sources. Proponents argue that nuclear power is essential for reducing carbon emissions and achieving energy security. They emphasize the advancements in reactor technology that have improved safety and efficiency, and they advocate for the use of nuclear power as part of a diversified energy strategy to combat global warming[4][10].

Opponents’ Concerns

Despite these arguments, opposition to nuclear power remains strong. Critics continue to highlight the risks of nuclear accidents, the challenges of radioactive waste management, and the potential for nuclear proliferation. They argue that the high costs and long lead times for building new nuclear plants make it an impractical solution compared to renewable energy sources like wind and solar power. Additionally, concerns about the security of nuclear facilities and the potential for terrorist attacks add to the opposition[4][6][9].

 
Conclusion

The historical development of arguments for and against the civilian use of nuclear power reflects a complex interplay of technological, political, and social factors. While nuclear power has the potential to provide significant environmental and energy security benefits, it also poses substantial risks and challenges that continue to fuel a vigorous and ongoing debate.

 

Citations:
[1] Walker,J. S., Wellock, T. R. (2010) “A Short History of Nuclear Regulation,1946–2009” NUREG/BR-0175, Rev.2
https://www.nrc.gov/docs/ML1029/ML102980443.pdf
[2] Pope, D. (2021) “The Unkept Promise of Nuclear Power”
https://origins.osu.edu/article/unkept-promise-nuclear-power?language_content_entity=en
[3] Hinnershitz, Stephanie (2021) “The Atomic Energy Act of 1946 – Scientists became political activists in the debate over control of atomic energy.” August 4, 2021
https://www.nationalww2museum.org/war/articles/atomic-energy-act-1946
[4] Wikipedia “Nuclear power debate”https://en.wikipedia.org/wiki/Nuclear_power_debate
[5] Sico van der Meer (2016) “States’ Motivations to Acquire or Forgo Nuclear Weapons: Four Factors of Influence,” Journal of Military and Strategic Studies, 17(1), pp.209-236 https://www.clingendael.org/sites/default/files/2018-02/States’_Motivations_to_Acquire_or_Forgo_Nuclear_Weapons _August_2016.pdf
[6] Rothwell, S. L. “antinuclear movement” Britannica.com
https://www.britannica.com/topic/anti-nuclear-movement
[7] U.S. Department of Energy “Civilian Control of Atomic Energy, 1945-1946” The Manhattan Project – an interactive history
https://www.osti.gov/opennet/manhattan-project-history/Events/1945-present/civilian_control.htm
[8] Rizvi,O.(2023) “Nuclear energy in Europe: Who is for and against it and why?” 2023 /12/23
https://link.springer.com/content/pdf/10.1007/978-3-658-25987-7_5.pdf
[9] Energy Advisory Group of the Working Committee on Church and Society, World Council of Churches, Geneva, Switzerland (1977) “Public Acceptance of Nuclear Power – Some Ethical Issues” IAEA Bulletin, 19(6), pp.48-57
https://www.iaea.org/sites/default/files/publications/magazines/bulletin/bull19-6/19604794857.pdf
This paper was presented at the International Conference on Nuclear Power and Its Fuel Cycle, 2-13 May 1977, Salzburg, Austria.
[10] World Nuclear Association(2024) “Outline History of Nuclear Energy”
https://world-nuclear.org/information-library/current-and-future-generation/outline-history-of-nuclear-energy
[11] U.S. Department of Energy The History of Nuclear Energy, Office of Nuclear Energy, Science and Technology,DOE/NE-0088, 48pp
https://www.energy.gov/ne/articles/history-nuclear-energy
[12] Bonev, P. et al. (2024) “Nuclear waste in my backyard: Social acceptance and economic incentives,” Energy Policy,185(February 2024)
https://www.nids.mod.go.jp/english/event/symposium/pdf/2001/sympo_e2001_4.pdf
[13] Hill, J. (1977) “The Abuse of Nuclear Power”IAEA Bulletin, 19(2), pp.42-49
https://www.iaea.org/sites/default/files/publications/magazines/bulletin/bull19-2/19204794249.pdf
[14] “50 Years of Nuclear Energy” 8pp
https://www.iaea.org/sites/default/files/gc/gc48inf-4-att3_en.pdf
[15] Goldschmidt, B. (1977) “The Origins of the International Atomic Energy Agency” IAEA Bulletin, 19(4), pp.12-19
https://www.iaea.org/sites/default/files/publications/magazines/bulletin/bull19-4/19401281219.pdf
[16] Ichimasa, S. (2017) “Nuclear Nonproliferation and Economic Sanctions: Can Non-Military Sanctions Stop Nuclear Proliferation? ” 防衛研究所紀要(防衛省防衛研究所)、19(2)
https://www.nids.mod.go.jp/english/publication/kiyo/pdf/2017/bulletin_e2017_4.pdf (日本語版一政祐行(2017)「核不拡散と経済制裁を巡る諸問題」)
[17] Office of the Historian, Foreign Service Institute, United States Department of State “MILESTONES: 1945–1952 Atomic Diplomacy” Milestones in the History of U.S. Foreign Relations
https://history.state.gov/milestones/1945-1952/atomic
[18] Campaign for Nuclear Disarmament “The history of CND”
https://cnduk.org/who/the-history-of-cnd/
[19] Clarke, L. (1985) “The Origins of Nuclear Power: A Case of Institutional Conflict” Social Problems, 32(5), pp.474-487
https://www.jstor.org/stable/800776
[20] Char,N.L., Csik, B.J. (1987) “Nuclear power development:History and outlook – Events have changed the global prospects for nuclear power,” IAEA BULLETIN, 3/1987, pp.19-25
https://www.jstor.org/stable/40961953

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生成AIでの情報検索-移民問題(日本語プロンプト版)

生成AIは、Google検索などこれまでのWEB検索サービスの機能拡張、すなわち、拡張検索エンジンとして利用することができます。ここでは、移民問題に関する情報検索を例に取り、情報検索の効率化が生成AIによってどのように実現できるかを見ていきましょう。

 
利用したプロンプト文(日本語)
英語で移民問題を調べたい。
おすすめの検索ワードを教えて。
 
生成AIの回答例

 
生成AI利用における注意点
  1. まったく同一のプロンプト文を生成AIに繰り返し与えると、生成AIはその都度、異なる回答を返すような設計にデフォルトではなっています。まったく同じ質問を同じ人にくり返した場合でも、知識の引き出しが大きく親切な人であればそれまでとは異なる回答を返して、質問者の理解をより深めるようにしてくれるのと同じです。
     下記では各生成AIの回答を一例だけしか挙げていませんが、実際の情報検索に当たっては、同一のAIに対して回答のバリエーションがなくなるまで同じ質問を繰り返すことでより多くの情報を得ることができます。
     

  2. プロンプト文がまったく同一であっても、各生成AIによってその回答には「個性」やバラツキがあります。まったく同じ質問を数多くの人にした場合に、回答者のものの見方考え方、個性、知識量の違いにより様々な回答が返ってくるのと同じです。
     生成AIにも、「利用している生成エンジンのLLM(Large Language Models、大規模言語モデル)」、「回答生成に利用しているデータ」、「回答生成の際のパラメーター」などの違いにより、「ものの見方考え方」、「個性」、「知識量」の違いがあります。
     下記に挙げたように、異なるAIに対して同一の質問をすることで、結果的により適切な情報を得ることができます。
 
  1. 本ブログ記事は、藤森智世「マルチモーダルAIといっしょに英語メディアを読み解く」(連載:AI時代のアプローチ 自分仕様の英語教材をつくる 第1回)『多聴多読マガジン』2024年6月号,pp.109-114の追加・補足です。
    プロンプト文は同雑誌連載記事のものを使いましたが、生成AIによる回答結果は本ブログ記事作成時点のものです。そのため、雑誌連載記事とは少し異なった内容のものとなっています。

  2. プロンプト文全体を英語で書く方がより適切で、より詳細な回答を得ることが一般的には期待できます。プロンプト文を英語で聞いた場合の結果については別掲記事をご覧ください。
  3. ここでは無料利用版の結果のみを紹介しています。有料版の方がより適切で詳細な回答を生成することが期待できますが、月20ドルの利用料金が必要です。
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生成AIでの情報検索-移民問題(日本語プロンプト版-Perplexity AI編)

 

移民問題に関する英語の検索ワードとしては、以下のようなものがおすすめです。

## 一般的な検索ワード

  1. immigration issues
  2. immigration policies
  3. immigration laws
  4. immigration reform
  5. immigrant rights
 

## 特定の側面に焦点を当てた検索ワード

  1. undocumented immigrants
  2. refugee crisis
  3. asylum seekers
  4. family separations at the border
  5. immigrant detention centers
  6. immigrant integration
  7. immigrant assimilation
  8. immigration and employment
  9. immigration and education
  10. immigration and healthcare
 

これらのキーワードを使えば、移民問題の概要から具体的な論点まで幅広く調べられるでしょう。検索エンジンで組み合わせて使うと、より詳細な情報が見つかります[1][3]。

また、特定の国や地域に絞って検索するのも有効です。例えば “immigration in the US” や “immigration in Europe” などです。政府機関や国際機関のウェブサイトも移民統計や政策情報の貴重な情報源となります[3]。

 

下記に挙げたPerplexity AI(無料版:ChatGPT3.5)が挙げた参考資料は、そのタイトルからわかるように、参考資料3.「海外の事例に学ぶ、移民がより活躍する社会のあり方」を除くと、移民問題とは無関係なWEB記事である。
無料版Perplexity AIが用いているChatGPT3.5というテキスト生成AIエンジンは、「信頼性」よりも「創造性」や「面白さ」を優先した回答を生成するような設計になるためこのような結果になりやすい。参考資料の検索作業には、無料版Perplexity AIの利用は向かない。

Citations:

カテゴリー: 『多聴多読マガジン』連載記事, 情報検索, 生成AIの利用法, 藤森智世連載記事, 資料検索 | 1件のコメント

生成AIでの情報検索-移民問題(日本語プロンプト版-Claude AI編)

 

移民問題は多岐にわたる複雑な問題ですので、検索ワードを絞り込むことが重要です。おすすめの検索ワードは以下のようなものがあります。

  1. Immigration issues
  2. Immigration policies
  3. Immigration reform
  4. Immigration laws
  5. Immigration trends
  6. Refugee crisis
  7. Asylum seekers
  8. Undocumented immigrants
  9. Immigrant rights
  10. Immigration impact on economy/society
 

特に関心のある国や地域、具体的な側面(経済的影響、人権、安全保障など)に絞ると、より適切な情報が得られると思います。

 

例:

  1. US immigration policies
  2. European refugee crisis
  3. Economic impact of immigration in Japan
  4. Human rights of undocumented immigrants
 

検索エンジンで上記のようなキーワードを使って検索し、信頼できる政府機関、国際機関、シンクタンク、大手メディアの記事を参考にすることをおすすめします。

 
Claude AIも、ChatGPT3.5、ChatGPT4、Google Geminiと同じく、参考資料を挙げません。そのため、「有益な参考資料を挙げてください。」といった趣旨のプロンプト文を追加で与える必要があります。

そうした回答結果の一例は下記の通りです。同回答に示されているように、残念ながら、URLや資料内容に関する詳しい情報は残念ながら得ることができません。

以下、参考資料に関するClaude AIの回答
 

政府機関の報告書:
– 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の年次報告書
– 国際移住機関(IOM)の世界移住報告
– 米国移民統計年鑑(Yearbook of Immigration Statistics)
– EUの移民・避難民に関する年次報告書

国際機関の報告書:
– 経済協力開発機構(OECD)の移民アウトルック(International Migration Outlook)
– 国連人口部(UN Population Division)の移住データポータル

シンクタンクの報告書:
– 移民政策研究所(MPI)の出版物
– ブルッキングス研究所の移民関連レポート
– ピュー研究所の移民に関する調査報告

学術誌:
– International Migration Review
– Journal of Ethnic and Migration Studies
– Diaspora Studies

上記の機関・団体は信頼できる情報源として知られています。法的側面、経済影響、人口動態、人権など、様々な観点から移民問題を扱った資料が見つかります。関心のある特定の側面に絞って、最新の報告書や論文を参照すると良いでしょう。

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生成AIでの情報検索-移民問題(日本語プロンプト版-Google Gemini編3)

別稿「テキスト生成AIにおける最小処理単位「トークン」ーなぜ日本語文よりも英語文の方がより詳細な回答となるのか?」で詳しく説明していますように、テキスト生成AIでは、回答文の長さには制限があります。有料版に比べ、無料版ではその制限はより厳しくなっています。そのため回答が途中で途切れることがあります。
 そうした場合には、「続きを教えてください。」などのプロンプト文を与えることで続きを見ることができます。

「移民問題」資料についての、Google Geminiの途中で途切れた回答の続きは下記の通りでした。

 
移民問題:更なる情報と考察
 
政策議論
  • 米国における移民改革: 米国では、長年、移民制度改革に関する議論が続いています。議論の争点は、不法移民の取り扱い、就労資格の拡大、家族移民の制限など多岐にわたります。
  • 欧州における移民政策: 欧州各国も、移民の流入増加に対応するため、様々な政策を講じています。政策内容は国によって様々ですが、共通の課題として、移民の受け入れと社会統合、移民排斥主義の台頭などが挙げられます。
    • 参考資料:
      • 欧州委員会: [無効な URL を削除しました]
      • ヨーロッパ政策研究センター: https://www.cepr.net/
倫理的な問題
  • 移民と人権: 移民は、差別、人身売買、搾取などの様々な人権侵害に直面するリスクが高いです。国際社会は、移民の人権保護の重要性を訴え、様々な対策を講じています。
    • 参考資料:
      • 国連人権高等弁務官事務所 (OHCHR): [無効な URL を削除しました]
      • ヒューマン・ライツ・ウォッチ: [無効な URL を削除しました]
  • 移民と文化的多様性: 移民の流入は、社会の文化的多様性を促進します。しかし、同時に、文化的な摩擦や社会の分裂を引き起こす可能性も指摘されています。
    • 参考資料:
      • 国連教育科学文化機関 (UNESCO): [無効な URL を削除しました]
      • 国際移民移住機関 (IOM): [無効な URL を削除しました]
個人の体験
  • 移民の物語: 移民問題は、統計データや政策議論だけでなく、個々人の具体的な体験を通して理解することも重要です。移民の自伝やインタビューを読むことで、移民が直面する困難や喜びをより深く理解することができます。
    • 参考資料:
      • 移民ストーリー: [無効な URL を削除しました]
      • ビヨンド・ザ・ボーダー: [無効な URL を削除しました]
日本の移民問題
  • 日本の移民政策: 日本は伝統的に移民国家ではなく、近年になってようやく外国人労働者の受け入れを拡大する政策を始めています。しかし、依然として多くの課題が残されています。
    • 参考資料:
      • 法務省出入国在留管理庁: https://www.moj.go.jp/isa/
      • 独立行政法人 国際協力機構 (JICA): [無効な URL を削除しました]
  • 日本の社会と移民: 日本の社会は、人口減少と少子高齢化が進んでいます。移民の受け入れは、日本の社会の活性化に貢献する可能性を秘めていますが、同時に、文化や価値観の違いによる摩擦や社会保障制度への負担増などの課題も指摘されています。
 

上記のように、Google Geminiが与えた続きの中には、「ヨーロッパ政策研究センター: ヨーロッパにおける移民と労働市場」に関するURLがありませんでした。
 
こうした場合には、「下記資料のURLおよび内容を教えてください。」といったようなプロンプト文を与えることで、該当資料に対するURL情報を求めることができます。
下記回答文では資料特定ができなかった旨の記載がありますが、下記の2番目の研究報告書が対応する資料です。

 
ヨーロッパ政策研究センター: ヨーロッパにおける移民と労働市場に関する追加情報
 
残念ながら、ご提示いただいた情報だけでは、特定の資料を特定することはできません。ヨーロッパ政策研究センターは、移民と労働市場に関する多くの研究報告書を発行しており、それぞれ異なるURLでアクセスできます。
 
内容
ヨーロッパ政策研究センターが発行している移民と労働市場に関する研究報告書は、内容が様々です。以下に、代表的な報告書と概要を紹介します。
  • “The impact of immigration on wages and employment in Europe” (2019): この報告書では、移民がヨーロッパの賃金と雇用に与える影響を分析しています。分析結果によると、移民は一般的に賃金を押し下げる効果はなく、むしろ一部の分野では賃金上昇に貢献していることが示されています。
    https://www.degruyter.com/document/doi/10.1515/bejeap-2014-0075/html?lang=en
  • “Immigration and the European labour market” (2016): この報告書では、ヨーロッパの労働市場における移民の役割を包括的に分析しています。報告書では、移民が労働力不足を補い、経済成長を促進する役割を果たしている一方で、移民排斥主義の高まりや社会統合の課題など、移民政策に関する様々な課題についても考察しています。
    https://repec.cepr.org/repec/cpr/ceprdp/DP4061.pdf
  • “The fiscal effects of immigration in Europe” (2012): この報告書では、移民がヨーロッパの財政に与える影響を分析しています。分析結果によると、移民は一般的に財政収支にプラスの影響を与え、社会保障制度への負担増加を相殺する効果があることが示されています。
    https://www.econstor.eu/bitstream/10419/232517/1/GLO-DP-0814.pdf
 
その他
上記以外にも、ヨーロッパ政策研究センターは、移民と労働市場に関する様々な研究報告書を発行しています。詳細は、以下のウェブサイトをご覧ください。
 
  • ヨーロッパ政策研究センター 移民・社会統合プログラム: https://cepr.org/
 
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