同一のプロンプト文に対して、生成AIから得られた複数の回答結果の検討する場合の一つの方法は、下記のプロンプト文のように、複数の回答結果に関して生成AIそれ自体に比較検討をさせることである。
上記のプロンプト文に対する回答結果は、AIで日本語の学術論文を英訳するー自分の日本語論文を翻訳させてみる(ChatGPT編5)で示した通りである。
同一のプロンプト文に対して、生成AIから得られた複数の回答結果の検討する場合の一つの方法は、下記のプロンプト文のように、複数の回答結果に関して生成AIそれ自体に比較検討をさせることである。
上記のプロンプト文に対する回答結果は、AIで日本語の学術論文を英訳するー自分の日本語論文を翻訳させてみる(ChatGPT編5)で示した通りである。
本サイトで何度も論じていることですが、「テキスト生成AIにおける最小処理単位「トークン」ーなぜ日本語文よりも英語文の方がより詳細な回答となるのか?」で紹介したようにWEB経由での対話的やりとりによる利用では、生成AIに対して「1回のプロンプトで与える情報量」が多いとそれに対する回答の精度が低くなりがちです。
前後の文脈を反映した回答を得たい場合でも、一度に多くの情報を与えるよりも、同一セッションの中で何度かに分けて情報を与えるようにした方がより精度の高い回答を得ることが期待できます。
今回の翻訳作業においてもそうしたことが言えます。論文全体を一度に英訳させた「AIで日本語の学術論文を英訳するー自分の日本語論文を翻訳させてみる(ChatGPT編-1-2 英訳結果)」
よりも、少しずつ日本語文を与えた方がより良い英訳結果になっているように思われます。
また、あまり適切とは思えなかった場合など、繰り返し同じ指示を与えてみることも有用です。
ここでは下記日本語文章の英訳についていくつかの回答を見ていくことにしよう。
テキスト生成AI(text to text, image to text)一覧のページの中に、IBMの生成AI「watsox」試行版およびMetaの生成AI「Meta AI」についての簡単な紹介文を追加しました。
AI利用の語学学習アプリに関連する紹介記事を下記ページで紹介しています。
「AI語学学習アプリ」
https://cosmopier.com/cp-ai-lab/ai-english-language-learning/ai_language_learning_apps
単語や熟語の意味を調べるのに、辞書や事典を利用するのがかっては一般的であったが、インターネットの普及と共に21世紀初頭からはWikipediaなどの無料のネット事典、および、Google検索の利用が一般的となった。
しかし最近では、ChatGPTなどの生成AIの精度向上により、WikipediaやGoogle検索に代わり、生成AIの利用が進んでいる。生成AIを、辞書や事典と併用して活用することでこれまで以上にスムーズで適確な調べをすることができる。
そうした形での生成AIの活用に関して、ここではpastoral careという語句を例に取り、見ていくことにしよう。
筆者がこの語句を調べようと思ったのは、「AIは人間の教師のサポート役(教育のための補助的手段)となるものであり、人間の教師に取って代わるものではない」という視点から教育におけるAI利用の問題点を論じたFinancial Timesの社説 “The future of the AI-enhanced classroom” Financial Times, 2024/8/25の中の下記文章におけるpastoral careという語句を英和辞典で調べてもその意味内容が明確にはつかみ取れなかったからである。
英和辞典におけるpastoral careの注釈
下記にChatGPTほかの生成AIによる回答を紹介する。
A. ChatGPTによる注釈-「単なる問題解決だけでなく、相手の存在を尊重し、長期的な支援を提供するという広範な意義を持つ言葉」としてのpastoral care
下記に示したように、ChatGPTは、教育現場でのpastoral careを、「教師やカウンセラーが行う生徒支援活動」なども含む「全人的な福祉(well-being)を重視したサポート」であるとしている。
なお、「教育の文脈での用法」におけるpastoral careについての参考資料としてはChatGPTが挙げた資料の多くは、日本語プロンプト文では中国語サイトのものであった。英語圏の資料として挙げられているものは下記のように数が少ない。
B. Google Gemini Advanced 1.5 Proの回答(2024/12/13)
https://g.co/gemini/share/3587cbc3d5ab
藤森智世先生の『多聴多読マガジン』連載記事の第4弾「2045 年、シンギュラリティは本当に起きるのか」(AIを思考のパートナーに!その2)『多聴多読マガジン』2024年12月号,pp.108-113の記事を下記で全文ダウンロードできます。
2024年前半期頃までのCHatGPTでは参考資料として実際には存在しない資料が挙げられることもしばしばあったが、最近ではそのようなことはなくなっている。
ただし残念ながら、挙げられている資料の質は様々ではある。そのため当該分野に関する専門的知識を持って資料を自分でも批判的に検討できることが必要である。
ChatGPTによる英訳でまず最初に気になったのは、「主観」という単語がsubjectivityと、 「客観」という単語がobjectivity という訳になっていたことです。
というのも、 subjectivityやobjectivityといった語句における接尾辞「-ity」は、形容詞から抽象的な名詞を導き出す機能を持った語句です。
形容詞からの派生的名詞として、subjectivityやobjectivityは「・・・であること」、「・・・的なもの」というニュアンスの名詞となります。
そのためsubjectivityやobjectivityという語句の日本語訳としては、一般的には、「主観性」や「客観性」という語句が当てられ、「主観」や「客観」といった名詞とは異なる意味合いをもったものとなっています。
実際、ChatGPTに対して、subjectivityとobjectivityの日本語訳を尋ねると、下記のように、「主観性」、「客観性」という語句が返ってきます。
こうしたことは、以下に挙げるように、代表的な英和辞典の記述においても確認できます。
また、下記に挙げた日本語事典では、主観・客観に対応する英単語としてsubjectやobjectは挙げられていますが、subjectivityやobjectivityは挙げられていません。