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藤森智世-AI時代のアプローチ 自分仕様の英語教材をつくる(『多聴多読マガジン』連載)
AI技術の進化に伴い、私たちの学習方法も大きく変化しています。特に言語学習分野では、AIを活用することによって、従来の教材や学習法をはるかに超える効果を得る可能性が広がっています。ここでは、テキスト・画像・音声・動画といった、幅広い英語メディアを理解するための支援ツールとして、生成AIを利用する方法を紹介します。AIと一緒に、より実践的な英語に挑戦してみましょう。
 
英語情報を集めるときの悩み top3
 
  1. 知りたい情報になかなかアクセスできない
  2. 英語の内容を理解するのが難しい
  3. 理解した内容が正しいかわからない
AIは、上記の悩みに応え、あなたと英語の橋渡しをしてくれます。
本記事では、「移民問題」を例に具体的な使い方を説明しています。
 
2024年5月13日に行われたOpenAI社の「Spring Update」イベントでは、いくつかの衝撃的な発表がありました。大きな柱としては、新フラグシップモデルGPT-4oの発表、無料ユーザーへの機能の拡充、macのデスクトップアプリの公開という3項目です。GPT-4oを用いたデモ動画では、これまでと一線を画す「人間としか思えない」音声会話の出力が紹介されました。今回は、緊急特集としてGPT-4o の紹介を中心に、英会話練習への活用を紹介します。

 
日本人の多くが抱える問題として、英語での自己主張力の弱さが指摘されています。文法的な表現力を身につけることはもちろん重要です。ですが、そもそも自分の意見を構成するためには、裏付けとなる事実や根拠となる情報を持っている必要があります。そして、批判的思考能力を鍛えていなければいけません。英語での即応力を高めるためには、普段から英語での思考に慣れておくことが大切です。
 信頼できる情報を集め複数の情報源をもとに英語で考え意見を形成する力を養うために、2回にわたって生成AIを思考のパートナーとして活用する方法を紹介します。

 
意見形成プロセスと生成AIの活用
 
  1. 信頼できる情報源を集める
  2. 情報を整理し分析する
  3. 自分の意見をブラッシュアップする
 
適切なプロンプト設計
  1. 指示を明確にする
  2. 事実に基づく回答をするように指示する
  3. 段階的な指示(ステップバイステップ、Chain-of-Thought )をする
  4. 「もし情報がない場合は、『情報がない』と答えてください」などのエラーハンドリングをする
 
回答のトレーサビリティを確保できるツール
  1. Perplexity
  2. Microsoft Bingのディープ検索機能