AIで日本語の学術論文を英訳するー自分の日本語論文を翻訳させてみる(ChatGPT編5)

「下記の日本語文章に関する二つの英訳例に関して、哲学の専門家の視点からチェックしてください。」というプロンプト文に対するChatGPT4oの回答結果は下記の通りである。

以下は、哲学の専門家の視点から、提供された二つの英訳例についての評価とコメントです。
 
第一段落の比較
英訳例1:
The problem of subjectivity and objectivity in physics can be discussed from two perspectives.
英訳例2:
The issue of subjectivity and objectivity in physics can be discussed from two perspectives.
  • 評価: 両方の訳で、“problem” と “issue” の選択に違いがあります。哲学的議論において、“problem” はより特定の論理的な問題を示唆し、“issue” は一般的な論点を指すことが多いです。日本語原文の「問題」はどちらにも適合しますが、ここでは「物理学における主観と客観」という文脈から、“problem” の方が厳密性が高い表現といえます。
  • 推奨: 英訳例1の “problem” を支持。
 
第二段落(第一の視点)の比較
英訳例1:
The first perspective examines how subjectivity and objectivity are represented in the theories of physics. From this perspective, inherent within physics itself, the problem of subjectivity and objectivity is treated as a problem of the observer and the observed. In other words, the discussion revolves around how the subjective (the observer) perceives the objective (the observed). One example of this perspective is the problem of observation in quantum mechanics.
英訳例2:
The first perspective concerns the nature of subjectivity and objectivity within the various theories of physics. From this internal perspective within physics, the issue of subjectivity and objectivity is addressed as a problem of the observer and the observed. In other words, it is discussed from the viewpoint of how the objective (the observed) is perceived by the subjective (the observer). An example of a discussion from this perspective would be the measurement problem in quantum mechanics.
  • 「視点」の訳し方: 英訳例1では “examines how”、英訳例2では “concerns the nature of” を用いています。哲学的な議論では、「どのように主観と客観が現れるか」に焦点を当てているため、“examines how” の方が適切に思われます。
  • 「物理学に内在した視点」の表現: 英訳例1では “inherent within physics itself”、英訳例2では “internal perspective within physics” と訳されています。英訳例2の “internal perspective” の方が、哲学的な文脈で原文に忠実な表現といえます。
  • 「観測問題」: 英訳例1では “the problem of observation”、英訳例2では “the measurement problem” と訳されています。量子力学において “the measurement problem” は標準的な用語であり、正確な表現です。
  • 推奨: 英訳例2の「観測問題」に関する訳がより適切ですが、“examines how” を取り入れるとベストな翻訳となるでしょう。
 
第三段落(第二の視点)の比較
英訳例1:
The second perspective deals with the nature of physics itself. Physics, as a form of knowledge, raises questions about the relationship between subjectivity and objectivity. Specifically, is physics the objective knowledge it is generally considered to be, or is it fundamentally subjective knowledge as a product of thought?
英訳例2:
The second perspective concerns the nature of physics itself. Physics, as a form of knowledge, also raises questions about subjectivity and objectivity regarding its own nature. Specifically, the question arises as to whether physics is an objective body of knowledge, as it is generally considered, or whether it is fundamentally subjective as a product of thought.
  • 「物理学それ自体」の訳し方: 英訳例1の “deals with” はやや口語的で、哲学的な文脈では英訳例2の “concerns” が適しています。
  • 「主観的か客観的か」の訳し方: 両者ともに原文の意味を正確に捉えていますが、英訳例2の “the question arises as to whether” は、よりフォーマルで哲学的な表現です。
  • 推奨: 英訳例2の方が、全体的に原文のトーンに近いといえます。
 
総合的な評価と推奨
両方の英訳例は、日本語原文の内容を忠実に反映していますが、それぞれ以下の特徴があります。
  • 英訳例1: 言葉遣いがやや簡潔で、一般読者に親しみやすい。
  • 英訳例2: 用語選びと文構造がフォーマルで、哲学的な議論においてより適切。
もし哲学的な専門性を重視するのであれば、英訳例2を基盤としつつ、一部英訳例1の簡潔さを取り入れることを推奨します。具体的には、「観測問題」の箇所は英訳例2の “the measurement problem” を採用し、“examines how” の表現を活かす形で組み合わせると最善です。

上記に示した英訳およびそれに関する回答内容は、主観と客観をそれぞれsubjectivityとobjectivityとしているなどそのまま採用することは適切ではないが、英語表現に関する詳細な検討をおこなうための手掛かりを与える有用な回答である。

次稿以降において、その回答に関して詳細な検討をする。
「AIで日本語の学術論文を英訳するー自分の日本語論文を翻訳させてみる(ChatGPT編6)」

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