辞書を捨てれば英語が読める
100万語多読入門
書籍 A5判 242ページ
CD付き、簡易版読書記録手帳付き 本体価格1800円+税
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初級~ |
■めざせ100万語! 辞書を捨てれば英語が読める
本書の中に洋書6冊を収録。しかも朗読CD(約73分)に[簡易版]読書記録手帳(48ページ)も付いている!
SSS(Start with Simple Stories)方式の多読は、従来のリーディングの対極に位置するものといえます。学校で学んだ英文解釈は「わからない単語は徹底的に辞書で調べ、正しい日本語に訳していく」という、暗号解読的なリーディング。一方、SSS方式多読の3原則は1辞書を引かない、2わからないところは飛ばす、3つまらなくなったらやめる、の3つだからです。そして、たとえ大人でも、挿絵のたくさんある児童書のような、エッと思うほどやさしい洋書からスタートし、とにかくたくさんの本を読むことをめざします。
■なぜやさしい本からスタートするのか
スタートには辞書なしですんなり理解できるような、やさしくて薄い本を選ぶことが肝心。スラスラ読めるので読書として面白い(お勉強という苦痛がない)、面白くて次々に1冊読み終えた達成感が得られるので続けられる(単調な反復ではなく)、続けられるから効果が確実に上がるのです。
やさしい本をドンドン読んでいくと、いつのまにか日本語を介さずに英文が英語のまま頭に入ってくるようになります。ここがポイントで、英語を読んだ順に後戻りせずにわかるようになるということは、リスニングでも流れてきた英語をそのまま理解できるということ。「わからないところは飛ばす」習慣が身についていれば、知らない単語が出てきた途端、アタマの中が真っ白になることもありません。
■本書1冊で今日から多読をスタートできる
スタート地点を見極めていただくために、本書の中にはレベル別の洋書を6冊、カラーの挿絵もそのままに収録しています(長いものは抜粋)。さらに朗読CDも付いているので、正しい発音はもちろん、英語特有のリズム感、リーディングの流れるようなスピード感を体感できます。100万語達成までの自分の道のりを記録していく[簡易版]読書記録手帳も綴じ込まれています。
100万語に到達するためには、どんな本をどんな順番で読んでいくのがよいのか、すでに達成した人たちの実例や豊富なアドバイスをまじえて詳しく紹介しており、一見、途方もない目標に思える100万語への道を具体的に実感していただけます。
語学習得に大切な「自分に楽しいことをやる」「達成可能なことをやる」「完璧にこだわらない」の3つを実現させた多読なら、リーディングのみならず、リスニング、ボキャブラリー、文法の総合力が、無理なく楽しく身につきます。
著者のおひとり、古川昭夫先生にうかがったお話をお届けします。
今回の本を書かれる上で最も大変だったことは何ですか?
イギリスの各出版社の本の転載の許可をえる交渉ですね。今までのSSS英語学習法研究会の実績から、どの出版社も日本の責任者の方は原則OKという返事を早い段階から伺っていたのですが、イギリスの担当者の方にメールで企画を説明し、こちらの条件で契約していただくのは、期限が迫っていることもあり、ハラハラドキドキでした。
ご専門は数学だと伺っていますが、どうして英語教育に力を注がれるようになったのですか?
アメリカで開かれた数学教育の研究集会に、知り合いの日本人の数学教師数名と一緒に参加したのですが、このとき、日本人の行ったスピーチがどれも大変不評で、次にスピーチをしたスウェーデン人に「私はみなさんに完璧にわかる英語を話すので安心して下さい」といわれた程でした。それ以来、自分の英語力を向上させる必要性を感じると共に、日本の英語教育自体を変えないといけないと思いました。
現状の学校の英語教育に関して、どのように感じておられますか?
言語の習得過程は人によってそれぞれ異なるのに、一律的に教えすぎていると思います。そのため、潜在的能力の高い子も開花がさまたげられているし、一方、ゆっくりめの自分のペースで学びたい子は置き去りにされています。
現在、オーラルの重要性が声高に語られることが多いですが、実際の現場では、まだまだ、文法訳読が中心です。しかし、そこで教えられている英文には不自然なものが多く、訳文として与えられている日本文にはそれ以上に不自然なものが多いのが現状です。自然言語ではなく人工言語を教えているかのようになっているのではないでしょうか。
ご自分で読んで楽しいと思われるのはどういう分野の本ですか?
楽しいのは、小学校高学年向けのよく出来た児童書ですね。子どもの頃にもどって人生がもう1回楽しめます。(笑)
読者に最も伝えたいメッセージは何ですか?
あなたが英語ができないとしても、それは、あなたのせいではありません。残念ながら良い英語の先生に巡り会わなかっただけなのです。でも、多読をやれば大丈夫。英語の本はあなたにとって最高の英語の先生になるでしょう。そして、多読で英語の基礎能力を高めながら、どんどん、実際に英語を使ってみて下さい。やさしい学習用絵本(Leveled
Readers)・段階別読み物(Graded Readers) から始めると、だれでも無理なく多読を始めることができます。
将来の夢を教えてください。
どんな言葉でも、非常にやさしいレベルからGraded Readersがそろっている環境を作り、語学の修得が子どもにとっても大人にとっても非常に負担が少ないようにすることです。そして、世界中の人達が、ごく普通に相手の国の言葉で交流しあえるような世界を作れれば素晴らしいと思っています。
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