ダールはイギリス児童文学の巨匠であり、大人にも子どもにも多くのファンをもつ人気作家。ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演の映画『チャーリーとチョコレート工場』、スティーブン・スピルバーグ監督作品『BFG: ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』の原作者としてもおなじみです。 ダールの作品には、とんちが効いたしゃれや造語、独特のリズム感の歌、シニカルなセリフなどの言葉あそびがあふれており、原書でしか味わえない世界があります。ネイティブの子どもならすぐにクスクス笑いを始めるような表現が、辞書を引いてもなかなかわからないようなことが発生するのです。そこでダールに造詣の深い6名の執筆陣を迎え、ダールを英語で楽しむ入門書を作成しました。
1.The Enormous Crocodile (邦題『どでかいワニの話』)
2.The Giraffe and the Pelly and Me (邦題『こちらゆかいな窓ふき会社』)
3.Fantastic Mr Fox (邦題『すばらしき父さん狐』)
4.Charlie and the Chocolate Factory (邦題『チョコレート工場の秘密』)
5.Matilda (邦題『マチルダは小さな大天才』)
6.The BFG (邦題『オ・ヤサシ巨人 BFG』)
6作品について、概要解説、原書を味わうアドバイス、登場人物紹介、原書の名場面の転載、名場面の語彙解説で構成しています。転載しているのは一部分ですが、作品のテーマや背景を理解し、実際に読んでみることで、最後まで読み通す感覚が養われるはずです。
ダールの作品の中でも特に人気の高いCharlie and the Chocolate Factoryについては、全編の語彙ノートを用意しました。章ごとに引っかかりそうな語句をピックアップして、日本語訳や注釈を掲載し、原書と並行して容易に活用できるようにしています。 また、巨人が使う独特の造語が多数ちりばめられたThe BFGは、全編造語ノートを作成し、言葉あそびに潜むイギリスの文化的背景も理解できるようにしました。 巻頭には、ダールが36年間を過ごしたバッキンガムシャー州、グレート・ミッセンデンの、作品の舞台ともなった場所の数々をカラー写真で紹介するコーナーも設けています。
【執筆者】
笹田裕子(清泉女子大学英語英文学科准教授。ダールに関する論文で博士号を取得)
清水奈緒子(英米児童文学翻訳家。ダールの『こちらゆかいな窓ふき会社』の翻訳を手掛ける)
白井澄子(白百合女子大学教授。専門は英語圏の児童文学)
クリストファー・ベルトン(ロンドン生まれ。小説家、フリーランスのライター、翻訳家。著書に『「ハリー・ポッター」が英語で楽しく読める本』シリーズなど)
宮下いづみ(Eunice English Tutorial主宰。武蔵野大学非常勤講師。共著に『イギリスの小学校教科書で楽しく英語を学ぶ』など)
渡辺順子(翻訳家。おもな訳書にクリストファー・ベルトン著『「ハリー・ポッター」が英語で楽しく読める本』シリーズなど)
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