「ハリー・ポッター」シリーズは、わたしの生い立ち、祖先から受け継いだもの、歴史、子ども時代の夢といったものすべてを映し出す鏡のような存在です-ク リストファー・ベルトン
キングズ・クロス駅、パブリックスクール、オートミール、糖蜜タルト、ゴブリン、ケンタウルス……。
ハリー・ポッターの本や映画を通して、イギリスの文 化や人々の暮らしぶりになじんだ人も多いはず。しかし、実はイギリス人は墓地や幽霊が大好き、魔法使いも日本人が考えるよりはるかに身近な存在……。
そう言われてみると、ハリー・ポッターの世界もまた違った風景に見えてきます。ハリー・ポッターをはぐくんだイギリスとは実際はどんな国なのか、ロンドン生ま れの著者がその歴史、文化、風土を詳細に解き明かします。
第7巻では17歳になったばかりのハリーが、何と「ファイア・ウィスキー」なるものを飲むシーンが登場します。イギリスの飲酒に関する法律はどうなって いるのでしょうか。
同じく第7巻で、逃亡生活を続けるハリーが銀色の雌鹿と出会う「ディーンの森」は実在します。古くはサクソン時代から王族が鹿狩りをし てきたと伝えられるディーンの森とは、どんなところなのでしょう。
ハリー・ポッターシリーズのさまざまなシーンに絡めて、イギリスの学校制度、パブ、気候、食事、交通機関、幽霊、魔女、伝説上の生き物など、イギリス事 情を多方面から明らかにします。
本書は『「ハリー・ポッター」が英語で楽しく読める本』Vol.1~Vol.7の人気コラム“What’s More”に加筆するとともに、新たに書き下ろしたエッセーを加えてテーマ別に再構成したものです。
今回の単行本化に当たり、アーティストとして活躍中の 著者の次男、ジェイミー・ベルトンがイギリスの雰囲気を見事に伝える挿絵を提供してくれました。
そのイラストと写真を随所にアレンジし、ハリー・ポッター そしてイギリスが好きな人はもちろん、ファンタジー文学ファンにも見逃せない1冊に仕上がっています。
■第1部■
ハリー・ポッターの世界に垣間見る現実世界のイギリス
1.キングズ・クロス駅
2.イギリスの学校生活
3.ホグワーツとパブリックスクール
4.イギリスのパブ
5.イギリスの行事
6.イギリスのクリスマス
7.イギリスの森と湖
8.イギリスの気候
9.イギリスの食事
10.イギリスの墓地
11.赤ちゃんの名前
12.アナグラム
13.子どもの遊び
■第2部■
ハリー・ポッターに交錯するイギリスの過去と現在
1.猫と犬とネズミの歴史
2.ロンドンのルーツとローマ街道
3.イギリスの交通機関
4.紋章
5.イギリスにおける決闘
6.イギリスの郵便制度
7.印刷物の歴史
8.ラテン語と英語
9.銀行の歴史
10.イギリス人とフランス人の対決
11.物語に登場する実在の魔術師
■第3部■
ハリー・ポッターを生んだ不思議の国イギリス -その非日常の世界
1.魔女と魔法使い
2.イングランドの魔女とスコットランドの魔女
3.魔法の道具
4.伝説上の生き物①妖精、エルフ、ノーム、ゴブリン、バンシー
5.伝説上の生き物②巨人、ケンタウルス、吸血鬼、狼人間
6.イギリスの幽霊
7.ホグワーツの教科
8.ホグワーツのお菓子
9.蛇とドラゴン
10.魔法の力が集まる場所-レイラインとグラストンベリーの丘
11.おとぎ話とファンタジー文学