当たり前のように使っているI don’t know.や、What time is it?が、相手との人間関係や話し方によっては失礼な印象を与えることがあります。
日本語なら相手に配慮して、その場に合った表現を使い分けるのが、対人コミュニケーションの基本。英語でもそれは同じことですが、学校の英語の授業では表現とその意味だけを学ぶことが多く、相手・場面・状況に応じて、丁寧さの度合いを適切に選ぶところまでは教えてくれません。その結果、スマートさに欠けた英語を何の疑いもなしに口にしてしまうことになります。
たとえば、何かを尋ねられて、「わかりません」と答えるとき、真っ先に思い浮かぶのはI don’t know.ではないでしょうか。しかしこの表現は、もちろん言い方にもよりますが、「私にはわかりません。これ以上聞かないで」という、冷たく突き放したニュアンスに取られることがあります。この場合は、「さあ、どうでしょう」と婉曲に表現したI’m not sure.のほうが大人の対応といえます。
本書は会話でよく使われる決まり文句をピックアップして、3パターンの表現を挙げ、それぞれのニュアンスを会話形式でわかりやすく説明するとともに、「フォーマル度」「親密度」の5段階表示で位置を示しています。さらに、使わない方がいい表現には「アウト!」、ビジネスシーンで使える表現には「BIZ」マークをつけており、いつ、誰に対して、どんなふうに言えば適切な表現なのかがひと目でわかります。
[表現例]
・See you again.は「じゃーまたね」ではない
・It is difficult.は日本語と逆、「難しいがやってみる、可能性はある」
・日本語の「いいなー」はI envy you.ではない
・I’ll do my best.は「全力を尽くします」ではない
・Me, too!の連発は子どもっぽく響く……
*音声は専用サイトから無料ダウンロードできます。
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