ことばを聞いて意味がわかるということは、聞いた音を「脳の中に一旦プール」して、その瞬間に脳が持っている知識を総動員して音と結びつける作業が行われています。日本語なら、小さいときから頭の中に蓄えたいろいろなバリエーションの音のデータがあり、語彙や文法的知識も豊富なため、脳はラクラクこの作業をこなしますが、外国語には訓練が必要です。実は、この「脳の中に音を一旦プールする」作業にシャドーイングが大活躍するのです。本書は、出身地も年齢もさまざまなネイティブ20名以上の英語をシャドーイングして、多種多様な英語の音のデータベースを脳の中につくることを目的としています。
英語学習本のCDの多くは、台本をプロのナレーターが読み、スタジオで録音されています。読み間違いは許されませんし、学習者のお手本となるべくクリアに発音されます。こうしたプロの発音と、普通の人が日常会話で普通に話す発音には、相当な開きがあります。本書に登場するのは、アメリカ各地、イギリス、オーストラリア、カナダ出身のネイティブから帰国子女まで。同じアメリカでも地域によって発音に特徴があり、それ以上に各人の話し方にはそれぞれの個性があります。全部で60のレッスン課題を使い、ひとりひとり個性豊かな語り口をシャドーイングして耳を鍛えましょう。
なま音声をシャドーイングするといっても、最初から手加減なしでは歯が立たない人がほとんどでしょう。そこで3段階にスピード調整を加えました。「1. 話し相手がノンネイティブあることを意識した ゆっくりレベル」、「2. 少しゆっくりから普通のレベル」、「3. ナチュラルスピード」。5つのレッスンごとにセルフチェックテストを設けており、力の伸びを把握できます。
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