ブックタイトルザッカーバーグ_試し読み222

ページ
4/18

このページは ザッカーバーグ_試し読み222 の電子ブックに掲載されている4ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

ザッカーバーグ_試し読み222

6 アメリカの大学の卒業式祝辞といえば、毎年どの名門大学が誰を招聘するか注目を集めている。2005年にスタンフォード大学卒業式で行われたスティーブ・ジョブズ氏のスピーチは特に有名だ。一方、東の名門ハーバード大学卒業式には2007年にマイクロソフトのビル・ゲイツ氏が招かれた。ちょうど私自身、その日はボストン郊外ブラトロボロにあるS.I.T.での集中研修を終えて日本に帰国する日であった。ボストンの町はハーバード大学卒業式とビル・ゲイツ氏が来るということで華やいだ雰囲気であったことを覚えている。あれから10年となる2017年の卒業式にはジョブズ氏とゲイツ氏のふたりに影響を受けたフェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグ氏が招かれた。スマホに届いたメールで卒業式でのスピーチの依頼を受け、10年前に同じくスピーチをしたビル・ゲイツ氏に相談する様子もネット上にアップされて話題になった。ふたりとも、実はハーバード大学を中退しているという点で共通点がある。 ザッカーバーグ氏がスピーチを行った2017年5月25日はあいにくの雨となったが、多くの聴衆がレインコートを着たり傘をさしたりして会場に集った。その聴衆に雨の中、集ったことを意味のあるものにしようと呼びかけ、笑いもとりながら強いメッセージ性のある30分あまりのスピーチを行った。原稿に起こすと約4,000文字で、1分間あたり平均130語となる。オバマ大統領は多くの聴衆を前にした重要なスピーチでは1分間あたり100語~110語ほどで話していたことに比べると、速いと感じるだろう。このザッカーバーグ氏のハーバードスピーチに見られる特徴について、デリバリーやレトリックといった観点で探っていく。 ザッカーバーグ氏の語りを分析する前に、わかりやすい例としてジョブズ氏にふれた野村和宏(神戸市外国語大学教授)ザッカーバーグ氏のハーバード大学卒業式演説から学ぶもの卓越した話術がもたらす圧巻の会話的デリバリー