speaking_sample page 24/32
このページは speaking_sample の電子ブックに掲載されている24ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。
概要:
112昨今、大学入試にTOEFL等の外部試験を活用する提案が取りざたされていましたが、昨年11月に、「英語力評価及び入学者選抜における英語の資格・検定試験の活用促進に関する連絡協議会」が設置され、本格的な議論が....
112昨今、大学入試にTOEFL等の外部試験を活用する提案が取りざたされていましたが、昨年11月に、「英語力評価及び入学者選抜における英語の資格・検定試験の活用促進に関する連絡協議会」が設置され、本格的な議論が始まりました。「英語4技能資格・検定試験懇談会」(仮称)といったウェブサイトも設けられ、各試験がどのような力を測っているのかについての情報発信もされていくようです。テストには一貫して安定的に力を測っているかの信頼性、知りたい力を適切に測っているかの妥当性のほか、受験者に及ぼす社会的な波及効果があります。テストを知ることで、表面的なテスト対策に終始するのではなく、その背後で測られている力を意識して、より本質的で効果的な学習を行うことが可能になるでしょう。以下では「話す力」を測っているテストを取り上げて、どんな力を測っているかを比較します。現在国内で受験可能な主な「話す力」を測る問題を含む試験をまとめた表(pp. 106-111)から横断的にそれぞれのテストの特色を探ります。テストはビジネス英語、留学英語、アカデミック英語(大学受験)、能力検定/判定といったテスト目的で縦軸に大きく分類されており、横軸では「音読」「描写」「物語」「説明」「意見」の各問題形式について比較しています。また「ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)」のレベル記述からみた発達段階についても参考に示しています。音読する力は、発音やリズム、イントネーションなどのスピーキング力を構成する下位技能を測るために多くのテストで採用されています。自由発話はまだ難しいけれども、与えられたテキストであれば声に出して読む力はある学習者が取り組める問題形式です。BULATSやGTECでは、1文単位の音読により下位技能を測っていますが、TOEIC SW*では、アナウンスや広告などの短い文章を音読することが求められています。TOEFL Junior Comprehensiveや英検でも同様に短い文スピーキングテストに頻出するのが、「描写力」「物語る力」「説明する力」「意見を述べる力」を測る問題。ここでは「音読」問題を追加して、「スピーキング力を測る問題=スピーキング力をアップさせるポイント」の詳細をみていきましょう。スピーキングテストからわかる話す力とは?長沼君主(東海大学准教授)音読する力とは?*以下、TOEIC?Speaking & Writing TestをTOEIC SWと略します。