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57長沼:有識者会議の議論で、入試改革に加えてもうひとつ気になっていたのは、小学校での英語教育がどのようにあるべきかという話です。英語で外国語と日本語を比較しながら母語への気づきを高めるという話がある一....
57長沼:有識者会議の議論で、入試改革に加えてもうひとつ気になっていたのは、小学校での英語教育がどのようにあるべきかという話です。英語で外国語と日本語を比較しながら母語への気づきを高めるという話がある一方で、普段無意識的に使っている言葉を俯瞰して客観的に見るメタ言語的な力を国語で育てつつ、英語とどういう風にタイアップしていくかという話が国語でも出ているのかということなのですが。吉田:みんなそう言ってるよね。国語というのは日本語教育ではない。思想であったり、日本人論的な部分であったり、感性であったり、どちらかというとレトリカルな部分だとか、修辞学的なものであるとか、文学に通用するものとか、そういう点がすごく強調されている。日本語という言語をどう使うかという部分は軽視されている。だからいろいろな人が日本語教育と国語教育を分けなければいけないということを言っているわけです。 国語教育の中では英語教育の中でなされているような議論はあまりされていない、というのが本当のところなのではないかな。ただ小学校の国語の授業の中に、ディベートをやる、といったようなことは入ってきていますよね。吉田:少しずつ言語力の育成をなんとかしなければならないというのが、今の学習指導要領の議論の根底にあるので、すべての教科を通してそれをやりましょうと言っています。小学校の先生はすごくまじめなので、できるだけそれを取り入れようという努力はみられると思うけど、学会として、そういう議論をするかと言ったらあまりしない。英語は「使うもの」、何かを達成するための「道具」田中:言語的感性ついて、小中学校の英語で議論してもほとんど意味をなさないの吉田研作(よしだ けんさく)上智大学教授上智大学外国語学部英語学科卒業。同大学大学院言語学専攻修士課程卒業。ミシガン大学博士課程修了。上智大学言語教育研究センター長を務める。英語教育、バイリンガリズム、異文化間コミュニケーションが専門。文科省「英語教育の在り方に関する有識者会議」座長、文科省『「英語が使える日本人」の育成に関する行動計画』第1 研究グループ・リーダーとして、中高校生の英語力の指標について研究。学習指導要領で求められている英語力を、教師の教え方と生徒の達成度の相関から、現状分析を行っている。主な著書:「起きてから練るまで表現」シリーズ(アルク)、『大人のためのやり直し英語練習帳』(小学館)など多数。