ブックタイトル多聴多読マガジン_2018-6月号_試し読み

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多聴多読マガジン_2018-6月号_試し読み

32 2018 JUNEリスニング力は、ただ聞き流すだけでは上達しません。リスニングが話の流れや内容の理解につながっているか確認しながら聞きましょう。さらにボトムアップを図りたい場合は、p.18 の自己評価で◎印がついた音源のディクテーションに挑戦してみましょう。弱く短く発音されている音や実は発音されていない音を補って1 語1 句を書き起こすディクテーションは、文法力や語彙力アップにもつながります。もっとも12 の素材を聞いてみると、普通のスピードのトークとなると、ボトムアップ型のアプローチだけでは太刀打ちできないことも感じたことでしょう。世の中で使われている英語は、何かを伝えようとして話されるものです。「関係代名詞はthat かwhich か」「不定詞は何用法として使われているか」というような文法の分析は後回しにして、「何をどういう風に伝えようとしているのか」ということにまずは注目するのが当然です。このようなトップダウン型アプローチのリスニングに役立つ練習法をふたつ紹介しておきます。① カクテル・パーティ現象を活かすカクテル・パーティのように多くの人が雑談している中でも、自分が興味のある人の話や話題なら自然と聞き取ることができるという現象をカクテル・パーティ現象と呼びます。元々人は必要な情報だけを取り出して聞き取る力を持っているだけでなく、実は聞こえていない音を補完して理解する力も持っているのです。英語リスニングでもこのような力を発揮できるようにトレーニングするには、静かな部屋で1 音1 音に耳を澄ませる必要はありません。電車の中でも歩きながらでも、話の流れの中で重要な部分を取り出して聞き取る練習をしてみてはどうでしょうか。② 倍速再生から始める中・上級者向けのテクニックとして、CD やスマホの再生スピードを倍速にして聞いてもよいでしょう。弱く短く発音される機能語には耳がついていかず、強く長く発音される重要な部分だけが耳に入るはずです。このようにして、話者が相手に伝えようとしている重要な部分だけを聞き取ってから通常の速度に戻して聞いてみると、文脈を理解しながら聞き取れるようになっているはずです。本書付属のCD音声やダウンロード音声だけでなく、一般に公開されているYouTube 動画も再生速度を変更することができます。一度試してみてください。リスニングに役立つふたつの練習法文/中西のりこ