多聴多読マガジン 9月号別冊 英語の多読最前線 試読 page 3/30
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概要:
最近、英語教育において「多読」が密かなブームになっています。平成22 年度版高校用の外国語指導要領の中には、「発音」「精読」「速読」にならんで「多読」の文字が登場しました。2013 年度には、英語多読の定番教....
最近、英語教育において「多読」が密かなブームになっています。平成22 年度版高校用の外国語指導要領の中には、「発音」「精読」「速読」にならんで「多読」の文字が登場しました。2013 年度には、英語多読の定番教材である、Oxford Reading Tree シリーズが、先進的な試みをしている大阪市の公立小学校19 校に、英語の音声を学んだ後に音と読みをつなげる教材の一部として取り入れられています。また、2014 年度からは、多読の考え方を取り入れたNHKのラジオ講座「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」が放送されています。ただ、一概に「多読」といってもいろいろなとらえ方があるようです。本誌でいう「多読」とは「日本語を介さなくても、英語のまま内容が理解できるようになるように、辞書なしても読めるくらいの本当にやさしいレベルの本から始めて、たくさんの英語の本を読むこと」。多読のみならず多聴もあわせて、効果のある大量のインプットが基礎となって、快適なアウトプットが生まれ、アウトプットが刺激になって効果的なインプットが生まれるという好循環が期待できると思います。酒井邦秀先生が始められた電気通信大学での多読指導の試みを皮切りに、ここ10年の間に、さまざまな先生方が試行錯誤を続けながら、多読を授業を取り入れてきました。小学校、中高一貫の私立校、大学、塾などで、英語教育に多読を取り入れ意欲的な教育を行う学校・教育機関が少しずつ増えてきています。カリキュラム上の大きな制約のある公立の中高でも、さまざまな試みがなされています。「 多読」のありかたが多様になってきている現在、編集部では特に多読に関心を持ち始めた先生、多読の授業をスタートして間もない先生、子どもに多読をさせてみたいとお考えの保護者の方を念頭におき、「多読最前線」をテーマに本誌を制作しました。教育現場の最前線では、どのように多読教育が行われているのか、幼児も対象にする教室から大学まで、さまざまな教育機関の現場の取材をもとに実情をお伝えします。また、英語のコミュニケーション能力の育成を掲げる学校の英語教育の中で、多読の位置づけを新たな角度から捉え直す理論もご紹介します。最後に、日本多読学会所属の先生方へのアンケートを実施し、ご回答をいただきました。現場で実際に多読指導をされている先生方のなまの声、問題意識は、多読の教育現場のまさに最前線を反映しているといえます。小誌が、多読に関心をもたれ、一歩を踏み出そうとされている方のお役に立てれば幸いです。2014 年7 月22 日『多聴多読マガジン』編集部はじめに