多聴多読マガジン 9月号別冊 英語の多読最前線 試読

多聴多読マガジン 9月号別冊 英語の多読最前線 試読 page 29/30

電子ブックを開く

このページは 多聴多読マガジン 9月号別冊 英語の多読最前線 試読 の電子ブックに掲載されている29ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
119*EPER(Edinburgh Project on Extensive Reading)。エジンバラ大学の多読研究チームが開発したクローズテストで、文法力を含め英語力全般を測る。**ポール・ネイション(ヴィクトリア大学名誉教授):語彙習得....

119*EPER(Edinburgh Project on Extensive Reading)。エジンバラ大学の多読研究チームが開発したクローズテストで、文法力を含め英語力全般を測る。**ポール・ネイション(ヴィクトリア大学名誉教授):語彙習得研究の第一人者、多読・流暢な読みを研究。生徒さんも来るのですが、残念ながらその多くの方が、「すべり読み」です。そういう場合、本選びには苦労します。何とか、納得してもらって、読んだことのないまったく別の新しい本で、やさしいものから順に読んでもらっても、「すべり読み」から脱却するには半年以上かかるのが普通です。「すべり読み」でも、自分で勝手にストーリーを作ってしまうタイプの場合、実際の理解度が低くてもそこそこ楽しめているので、子どもにはあまり自覚症状が無いんです。西澤:うちの学生の場合は、6年間かけて140万語読んで、TOEICの点も科目の合格基準を超えていて、本人もみんなも幸せだったんですけれど、その年のリーディングの試験が極端にできませんでした。慌てて調べてみたら、2年目からずっとリーディング試験ができていなかった。要は読めてない。古川さんの例と同じで、ストーリーの若干細かい部分は自分でひねり出して作っていたので、本人は読めているつもりでした。しかし、例えば主人公の敵役がおばさんなのに、おばあさんだったり、細かいところでズレていました。古川:私の生徒でも、「すべり読み」をする生徒はほとんどそうですね。程度によりますが、本人はある程度読めたつもりになっていて、しかも本人はそんなにつまんなくないという。高瀬:大筋はわかっている。西澤:そう、大筋はわかっており、独自のストーリーができている。高瀬:それで TOEIC は上がるんですか。西澤:上がりますね。うちの最低基準は450点なのですが、すべり読みしていても、そのぐらいまでは行くようです。古川:実際多読したのにTOEICの点数が全然伸びないっていう大人の方もいるので、その人に聞いてみると、飛ばし読みして自分は楽しんではいる。本人いわく、日本語だったら7割墨で塗られていても内容はわかる。だから英語もわからないところを飛ばしていても、ストーリーはある程度想像できちゃう。けれども、これでは英語の力は伸びない。高瀬:数年前にもひとりいましたね。初めて100万語読破した大学生で、1年間教えたんですが、その学生がTOEIC(500点くらい)もEPER*もほとんど伸びなかったんですよ。最初からそれくらいで、100万語読んでもそれくらい。A to Z Mysteryシリーズなどアメリカの小学2-3年用の本を次々に読んでいたので、ストーリーを聞くと的確に内容を理解してる。なぜこれだけ的確に理解できていて英語力が上がらないのか不思議でしょうがなくて、いろいろ聞いてみると、彼は演劇をやってる学生で、他の子より2歳か3歳か年上だったんですよね。もう大人ですね。だからそういうストーリーを自分で組み立てる力があったんじゃないかな。彼が読んでいた本には絵はほとんどなかったから、文字から、あるいは文字と文字の間を自分でつなげていたんだと思う。古川:私がさっき言った人はTOEICで600くらい。何万語読んでも全然そこから上がらない。でも彼女に 1 冊読んだ後にストーリーを聞いてみると全然違う。本人は楽しんでるんだけれど、ストーリーはかなり違ってる。そういうこともあるので、楽しむ分には全然問題ないけど英語力を上げるためにはやっぱりある程度細かく読まないと、と思います。つまり飛ばし読みと言っても7割から9割ぐらいの理解度で読まないとやっぱりだめなんじゃないかと思います。「7?9割の理解度で読む」について古川:ここでふたつの立場があるわけですよ。10割近い理解度じゃなきゃいけないよと言う先生方が圧倒的多数で、それを目指して挫折している学習者が大勢います。ですから、それはそうじゃないよ、と言う必要はある。一方、本当にまったくわかんなくていいのかなっていうと、それはそうじゃないだろうって。高瀬:ネイション先生**のfluencyについての論文に、fluency「流暢さ」向上の練習をする場合、内容理解問題には7・8割正解すればよい、10割正解できる人はもっとスピードを上げて読む練習をすべきだと書いてありました。それより正解数が少ない人は、もう少しスピードを遅くして、内容を理解しながら読むようにと。西澤:うちは半年に1回Reading試験をやっています。学年により文の長さは異な