多聴多読マガジン 9月号別冊 英語の多読最前線 試読 page 27/30
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概要:
113ベルの本が順調に上がっているかぎり、マンネリに陥ることはまずありません。しかし、読めるレベルの本が頭打ちになってくれば、必ず、多読の意欲は減退します。そうすると、生徒は多読をしなくなり、「いかに読....
113ベルの本が順調に上がっているかぎり、マンネリに陥ることはまずありません。しかし、読めるレベルの本が頭打ちになってくれば、必ず、多読の意欲は減退します。そうすると、生徒は多読をしなくなり、「いかに読まずに読んだふりをするか」ということに知恵を使うようになってしまいます。(こういうことについて、多くの生徒は「天才的」です) しかし、「読むふり」が始まり、先生がそれに気づかなければ、いくら「多読指導」しても効果はありません。初級レベルで、多くの人が楽しいと思うシリーズは、Oxford Reading Treeの Kipperシリーズ、Magic Adventureシリーズ、Foudations Reading Librayシリーズくらいで、正直、ほかのシリーズは、面白いと思う人もいれば、つまらないと思う人もいます。ですから、生徒の嗜好を尊重するのが多読指導の原則といっても、指導の初期には、「面白いもの」だけでは、量が足りません。初期は、「面白い」定番シリーズ以外の、それほど「面白くない」普通の本を、いかにしっかり読んでもらうかが腕の見せ所となるのです。それには、「絵に注目して読むことの面白さを伝える」、「意味がはっきりわかる楽しさを伝える」、「繰り返しの多い本は、語彙や文法の習得に役に立つことを伝える」ことで、多少つまらない本も納得して読んでもらうことが必要です。また、一度読んだシリーズを再読すると、より細部まで理解できるので、同じ本を何度も読んでもらうのも、多読で英語力を上げるコツです。「英語を日本語に訳さずに読書する」という習慣がない生徒の場合、1ページに1行か2行の英文しかない本当にやさしい本から始めるのがよいでしょう。そこから始めて、ちょっとずつレベルを上げていきましょう。筆者の多読教室に来た生徒のなかでも、英語が苦手な子たちは、異口同音に「最初に渡された本がやさしい絵本で安心した」といっています。英語が苦手な生徒には、「自分でも読めた」、「このくらいの本なら大丈夫」という自信をもたせることが大事です。そこから、ちょっとずつレベルを上げていきましょう。そして、レベルが高い本が読めるようになったら、あるいは、しっかりした感想を言えるようになったら、どんどん褒めていきましょう。生徒も先生も、レベルを下げるのには抵抗感があることが多いです。しかし、難しすぎる本を読んで、理解度が低くなりすぎている(「すべり読み」ともいいます)ことがわかった場合、レベルを下げるのが最もよい対策です。普段から、「やさしめの本」と「難しめの本」を並行して読むような指導をしていると、レベル下げへの心理的抵抗が少なくなります。いかに「つまらない」本を読ませるかまずは、やさしい本で自信をもってもらうレベル下げも怖れずに