ブックタイトル多聴多読マガジン Vol.73_2019年04月号試読

概要

多聴多読マガジン Vol.73_2019年04月号試読

14 2019 APRIL臨場感あふれる読書をしているとき、読書速度はどのくらいになっているでしょうか？　おおよそ毎分100 語、150 語、200 語を目安に、読書体験の質的変化を推定してみたいと思います。また、その前段階として「読書速度を気にしない」体験も欠かすことができませんので、合わせて4 つの状態について見てみましょう。①まずは読書速度は気にせず、物語の世界を楽しむ！まず、絵本を読むときには「読書速度は気にしない」でください。むしろ時間をかけて挿絵をみることが大切です。絵本の特徴は、挿絵で表現された物語であることなので、イラストを一瞥べつしただけで後はテキストを追っていくのでは、絵本の価値も台無しです。例えば、入門用の絵本シリーズとして人気の高いOxford Reading Tree （ORT）シリーズは、300 冊以上のシリーズ全体が一つの物語となっており、個々の作品は1 エピソードに過ぎません。ひとつひとつの挿絵から集めたイメージを合体させ、主人公たちの人間関係や彼らを取り巻く環境を、自分の事のように感じられるようになれば、そこで語られる個々のセリフもより身近になります。「物語を楽しむのに和訳は必ずしも必要ではない」ということが実感できれば、絵本を大量に読んだ甲斐もあります。②英文を丁寧に和訳しなくなったら、聞き読みを始めよう！英文を丁寧に和訳しなくなると、毎分100 語程度で読めるようになってきます。ただ、絵本を読んだだけで和訳を止められる人は多くありません。ですから、次はYL0.8 ～ 1.2 のGR を使った聞き読みをしてみましょう。MMR1（Macmillan Readers Starter）、 PER0（Pearson English ReadersEasystarts）、OBW0（Oxford Bookworms Starter）などの朗読速度は、毎分80 ～ 100 語とゆっくりですので、聞き読みを体験したことがない人には最適です。朗読が遅すぎて眠くなると感じた人は、次の段階へ進んでください。多聴多読用図書と読書速度との関係は？IntroductionOxford Reading TreeStage 3（ORT3）