ブックタイトル多聴多読マガジン Vol.73_2019年04月号試読

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多聴多読マガジン Vol.73_2019年04月号試読

2019 APRIL 133ステップ特集多読入門構退屈な作業です。さらに、内容把握に必要な和訳もしながら長時間続けるのは、結構な苦行です。実際に多読初心者では英文テキストが3000 語以上、経験者でも10000 語以上になると、英文がやさしく、ほとんど知らない単語がない英文を読んでいても、この読み方では疲れてしまう人が多くなります。和文小説の読書では数時間読み続けても、まず感じない疲労感です。すなわち臨場感あふれる英語読書を楽しむには、正確さへの過度な固執、言語学習をしているという意識や和訳へのこだわりを捨て、英語を英語のまま把握する方向を目指して、テンポ良く物語の展開を味わう読書モードに意識を切り替える必要があります。その結果として、一定以上の読書速度が身についてきます。臨場感あふれる英語読書を体験するためには、何が必要なのでしょうか?結果としての読書速度に言及するまえに、英語での読書体験を支える3 つの要素として、「絵」、「音声」と「物語」の役割について考えてみましょう。①日本語に代えて英語で意味を理解するのを助けるのは「絵」です。和文小説においても、自分の好きな小説が映画化されたとき、主人公の役者に違和感があるのは、読書時に作り上げたイメージと異なるからです。このことからも「絵」が物語を楽しむために重要な役割を担っていることがわかります。②「音声」は英単語と「絵」を結びつけ、意味を理解する際にも役立ちます。特に、朗読音声を聞きながら本を読んでいく「聞き読み」を行うと、英語を日本語の語順に直して読む返り読みを防ぎ、英語の語順で読んでいくことができます。朗読音声をペースメーカーに、同じペースで英文テキストを読むと、構文解析や和訳の余裕がなくなり、絵と英文のみで内容を把握する読書スタイルを強いられますから、早期に英文和訳から卒業する助けにもなります。③すでに知っている作品、好きなジャンルや作家の作品が読みやすいのは、知らない情報があってもすでにある知識がそれを補完し、物語の理解を助け、臨場感を高めるからでしょう。臨場感が高まり、読書が主人公たちと経験を共有する個人体験になれば、留学の事前学習、帰国後の英語力保持にも効果のある、留学の疑似体験としての多読の効果を期待できるようになります。読書が疑似体験になるためにも、没入できる「物語」の役割は重要になります。読書体験を支える3 つの要素