ブックタイトル多聴多読マガジン Vol.72 2019年02月号試読

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多聴多読マガジン Vol.72 2019年02月号試読

20 2019 FEBRUARY海外ドラマは、今世界で使われているナチュラルな英語を効果的に学べる最高のツールのひとつだ、というのが個人的見解であり、僕自身は現在進行形でこのツールを活用して英語力強化を図っています。『SHERLOCK /シャーロック』は、舞台を現代のイギリスに移して私立探偵シャーロック・ホームズと医師のジョン・ワトソンが活躍する海外ドラマです。この『シャーロック』に登場する英語(セリフ)は、非常に緻密に構成されており、英国的なニュアンスや文化的知識がある程度ないと理解できない部分も少なからずあるので、決して簡単とは言えません。ですが、だからこそイギリス英語の理解力を高め、深められる要素に満ち満ちている素材とも言えると思います。今回は日常に即した「これぞイギリス英語!」というようなやさしい表現を『シャーロック』シーズン3の各話からピックアップして紹介・解説します。ジョンの代わりにシャーロックの捜査に協力したモリー・フーパー。捜査後、ベーカー街221Bの階段でシャーロックと別れるシーンです。ふたりの微妙な関係性が繊細に描かれる隠れた名シーンだと僕は思っているんですが、ここでのシャーロックの「超イギリス英語」な発言:Fancy some chips ?Fancy...? は、ごくごくカジュアルなイギリス英語の提案表現で、「……でもどう?」という意味になります。主に飲食物がその後に続きます。ただ、本来の意味としてfancyはlikeやwant の代わりに使うイギリス英語ですので、文脈によってはfancyに続く目的語は飲食物とは限りません。例えば、恋愛話の中でDo you fancy him?(彼のこと好きなの?)という感じにもよく使います。chipsとは、イギリスフードの代名詞ともいえるfish and chipsにも登場する言わずと知れたイギリス英語で、「フライドポテト」のことですね(ポテトチップスではありません)。ちなみに、誰かをパブに誘う時の定型イギリス英語表現はFancy a pint?(一杯どう?)です。ぜひ併せて覚えましょう。『シャーロック』に見る英語フレーズ 3選columnシーズン3/第1話『空の霊柩車』より:Fancy some chips?文・川合亮平