ブックタイトル多聴多読マガジン Vol.72 2019年02月号試読

概要

多聴多読マガジン Vol.72 2019年02月号試読

アメリカのドラマの定番といえば刑事・警官を登場人物にした「警察ドラマ」ですが、刑事・警官の硬いイメージを逆手に取って笑いにアレンジした警察コメディも人気があります。アメリカの都会のストリートで交わされるリアルな日常会話を学べるのもポイントですね。今回ご紹介する2 本はいずれも大都市ニューヨークの郊外、ブルックリンが舞台です。『ブルックリン・ナイン- ナイン』は、ニューヨーク市警99 分署の刑事たちや署長の群像を描きますが、ちゃらちゃらしているようで実は有能な刑事ジェイク（アンディ・サムバーグ）など、登場人物は変わり者だらけ。毎回、彼らがマイペースで（というかいい加減に）捜査をするうちに、いつの間にか事件が解決してしまうのがなんともユーモラス。ホルト署長（アンドレ・ブラウアー）が同性愛者だなんて刺激的な要素も。全米放送がシーズン6 に突入するヒットドラマです。このドラマの立ち上げに貢献したのは映画『LEGO ムービー』などで知られるハリウッドの売れっ子監督コンビ、フィル・ロードとクリス・ミラー。彼らの次回作は人気ヒーローの活躍を斬新な切り口で描くアニメ映画『スパイダーマン：スパイダーバース』です。『THE GOOD COP ／グッド・コップ』は、周囲が引くほど生真面目すぎる刑事トニー（歌手としても人気のジョシュ・グローバン）と、汚職をしたと疑われている元刑事の父親トニー（アメリカＴＶ界の伝説的コメディ男優であるトニー・ダンザ）の物語。警察ドラマであると同時にホームドラマでもあり、性格が正反対である父子（それでいて仲は悪くない）の会話が楽しめますし、トニーが元刑事と思えないほど豪放なのが笑いを誘います。海外ドラマ好きなら、日本でも人気だった『名探偵モンク』を企画したアンディ・ブレックマンの新作、と聞けばムードが想像できるのではないでしょうか。コミカルですが、犯罪ミステリーとしても秀逸なドラマです。「ブルックリン・ナイン-ナインシーズン1」DVD（全22話。1話20分程度。輸入盤、日本語なし）『ブルックリン・ナイン- ナイン』シーズン1（全10話）、1話45分前後Netflixオリジナルシリーズとして独占配信中『グッド・コップ』文・池田 敏（海外ドラマ評論家）対決の海外ドラマ次々と新作が生み出される海外ドラマ。その中から「今、最も注目すべき」選りすぐりの2 本をご紹介します。Vol.5「警察コメディ対決」の2本『ブルックリン・ナイン- ナイン』 VS『グッド・コップ』