ブックタイトル多聴多読マガジンVol65 2017年12月号試読

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多聴多読マガジンVol65 2017年12月号試読

10 2017 DECEMBER情報をパッと「つけ足す」感覚を身 「英語を話せるようになるためには、間違えてもいいから、とにかくたくさん話すことが大事だ」。これはよく耳にする主張ですが、皆さんは賛成しますか? 僕は話す練習はもちろん必要不可欠だと思いますが、長年英語を教える中でたどり着いたひとつの結論は、「アウトプット」(話す書く)がスムーズにできるようになるためには、その支えとなる「インプット」(聞く読む)が必要だということです。 生まれてから泣くことしかできなかった赤ん坊は、親や周りの人からの語りかけを通して言葉を理解していき、少しずつ話せるようになりますね。これと同じように、大人の学習者も、まずはインプットを通してたっぷりとお手本にふれ、「こういう風に話せばいいんだ」という一定の知識や感覚を身につけてから、自らの言葉でアウトプットしてみるのです。理解力や知識の面で “話せる準備” が整っていないのにやみくもに言葉を発してみたところで、うまくいくはずがありません。ストレスがたまるだけです。 これはスポーツや音楽、料理などでも同じですよね。いきなり自己流では上手にできません。別の人のやり方を「見て」「真似する」ことで、基本的なスキルが身につきます。お手本を真似するのが一番効果的な学習方法なのです。 そこで、僕が提唱しているのが「インプットから始めるスピーキング」です。身につけたい英語の表現や文法にたっぷりふれ、具体的にどういうところがポイントなのかを理解した上で、その直後に自分でそれを運用してみます(インプット→アウトプット)。きちんと理解できた状態で話すので、手応えを感じながらアウトプットの練習ができます。 さて、今回の特集では、中でも英語特有の「情報をつけ足す」というスキルについて磨いていきたいと思います。まず、「情報をつけ足す」とはどういうことでしょうか。 日本語は「~は」「~を」などの助詞を使うことで文の語順を柔軟に変えられますが、英語は必ず〈主語+動詞〉の形で文を始めるのが大原則です。そして、その後には、「何を?」「どこに?」「どうして?」といった細かい情報が続きます。 実は英語は、主語+動詞のあとに続くこの「+α」の細かい情報がとても重要なのです。さまざまな修飾語句をあとからつけ足すことで、自分の言いたいことをより具体的に、正確に伝えることができます。 しかし同時に、これは多くの日本人が苦手とするところです。 例えば、会話でWhat did you do yesterday?(昨日は何をしたのですか)と聞かれたとしましょう。これに対して、I went to Yokohama.(私は横浜に行きました)のようなごく短い文で返すのが精一杯、という人も少なくないでしょう。 これは文法的には何の問題もありませんし、相手には「横浜に行った」という事実は伝わります。しかし、コミュニケーションとして少し物足りなさを感じますよ