ブックタイトル多聴多読マガジン10月号 試読み

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多聴多読マガジン10月号 試読み

2016 OCTOBER 125リスニング、シャドーイングのためのなま素材●英語の特徴 英語を学ぶことを目的として練習する英語ではなく、学問や職業などの専門領域におけるコミュニケーション活動の一環として使われる英語はEnglish for SpecificPurposes (ESP) と呼ばれます。自分の研究内容や結果を国内外へ発信するという明確な目的を持って英語を話している山中伸弥氏は、ESP の代表的なユーザーとも言えます。医学を専門とする人々のグループ内では普通に使われる用語を、一般の人にもわかるように説明しながら話していることが特徴的です。【訳】山中伸弥:ES細胞には重要な特性がふたつあります。1 番目は、ES 細胞は量産できること……すなわち私たちが必要とするだけの量を培養することができます。したがって、ひとつのES 細胞から百万、十億、あるいはそれ以上のES 細胞を一定期間内に手にすることができるのです。ES 細胞のもうひとつの重要な特性は、いわゆる多能性です。多能性とは、私たちの体内に存在するどのような種類の細胞でも作ることができることを意味します。私たちの体には200 種類以上の細胞があります。したがって、そうした200 種類以上の細胞をES 細胞から作ることができるのです。というわけで、それがES 細胞の2 番目に重要な特性です。日本語訳:山口西夏? 段落構成最初に「特性がふたつある」と紹介しておいてから、「1 番目は~」「もうひとつは~」と話を進める、非常にわかりやすいスピーチの構成です。? 専門用語の言い換え生物の分野でよく使われるproliferate という語を culture… asmuch as we want とわかりやすく言い換えています。? 専門用語の説明一般の英和辞典には載っていないレベルの専門用語については、“pluripotency means that…” と丁寧に説明を加えています。語注ES cell:embryonic stem cell ES 細胞 胚性幹細胞(はいせいかんさいぼう)/ property:特質/proliferate:量産する/ culture:培養する/ pluripotency:(生物)多能性山中伸弥 Shinya Yamanaka1962 年生まれ。京都大学iPS 細胞研究所所長・教授、サンフランシスコのグラッドストーン研究所上席研究員、日本学士院会員。学位は大阪市立大学博士(医学)。文化勲章受章者。「成熟細胞が初期化され多能性を持つことの発見」により、2012 年のノーベル生理学・医学賞をジョン・ガードンと共同受賞した。ここに注目!写真:オフィスにある机に向かう山中伸弥教授出典:京都大学iPS 細胞研究所