ブックタイトル多聴多読マガジン2017年8月号　試読

概要

多聴多読マガジン2017年8月号　試読

5 月25 日、Facebook のマーク・ザッカーバーグCEO は自身が大学生活を送ったハーバード大学の卒業式で祝辞を述べました。ひとりひとりが自分の役割を意識できる社会、「目的意識」を創造することの大切さを語って感動を呼びました。30 分以上もの白熱スピーチから、ハイライト部分を抜粋します。2017 AUGUST 105いいアイディアを思いついたから、一生懸命にがんばったからといって成功するわけではないことを我々はみんな知っています。成功には運も必要ですから。もし私がプログラムコードを学ぶ時間を持つ代わりに家族を養わなければならなかったとしたら、もし私がフェイスブックが上手くいかなくても何とかなると思っていなかったとしたら、私は今日ここに立っていません。正直であるならば、私たちはみな、人生のこの地点にたどり着くまでに、自分たちがどんなにツイていたかをわかっているでしょう。すべての世代が平等の定義を拡大させてきました。前の世代は選挙権と市民権のために闘いました。それにより「ニューディール政策」と「偉大な社会政策」を実現しました。そして今、我々の世代こそが新たな社会契約を定義する番です。GDP のような経済指標によってではなく、意義があると思える役割をどれだけの人々が持てるかによって進歩を測る社会をつくるべきです。誰もが新しいアイディアに挑戦できる余裕が持てるようにユニバーサル・ベーシックインカムのような考えを検討してみるべきです。我々はみな何度も仕事や役割を変えることになるでしょうから、働くために手頃な値段の保育や、ひとつの雇用主に紐づけられていない健康保険が必要です。語注work out: 上手くいく／ expand: 拡大する／ definition: 定義／ previous: 前の／ New Deal: ニューディール政策／ Great Society: 「偉大な社会」（ジョンソン大統領が提唱した社会福祉政策）／define: ～を定義する／ economic metrics: 経済指標／ explore: 探求する／ universal basicincome: ユニバーサル・ベーシックインカム（政府がすべての国民に最低限の生活費を提供する所得保障の一種）／ cushion: 緩和策／ affordable: 手頃な／ childcare: 保育／ healthcare: 健康保険マーク・ザッカーバーグアメリカのプログラマー、起業家。ニューヨーク州出身。ハーバード大学在籍中にソーシャル・ネットワーキング・サービスサイト、「Facebook」を開設。2005 年に同大学を中退。2010 年、Time誌「Person of The Year」に選出。現在Facebook のCEOを務める。Mark Zuckerberg