ブックタイトル多聴多読マガジン Vol.61 2017年04月号試読

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多聴多読マガジン Vol.61 2017年04月号試読

2017 APRIL 11時代です。いちいち日本語に解読していては間に合わない。日本の英語学習は、そういう時代のニーズからずっと逆行してきたんです。古川 同感ですね。今の英語学習は、例えるなら、「少年ジャンプ」も読めないのに、夏目漱石や安部公房の文学作品を無理に読解させようとしているようなものです。しかし、日本語で言えば「少年ジャンプ」やライトノベルのレベルの英語がきちんと読めれば、まずはそれで問題はないはずです。安河内 文科省の調査によると、日本の高校生の英語レベルの平均はCEFR*1で見ると、A1とA2 のボーダーあたりです(→ p.15 の表参照)。多読の本のレベルで言えば、英検準2級レベルぐらいの本が何とか読めるというぐらい。大学の英文科で学ぶべき内容を高校生に強いていることが、そもそもの間違いですよね。古川 使用語彙数が1000 語程度、センター試験レベルのレベル3(YL*23.0-3.9)の本をスラスラと読める力がつけば、大人が読んでも面白い本がたくさんありますし、インターネットにある色々な英文が直接読めるようになります。ですから、レベル3 をひとつの目標としてもらえれば。安河内 E メールなんて基本語彙1000語で十分ですからね。古川 そうですね。基本語彙1000 語のレベル3 の英語を使いこなすことができれば、スピーキングもライティングもそれでほぼ通用します。もちろん、専門用語は、その基本語彙のなかに入ってきませんが、専門用語に関する英語はそれぞれの仕事分野で身につければいい話ですから。安河内 注意していただきたいのは、レベル3 ぐらいの英文がスラスラ読めるようになったからと言って、急にTIME やNewsweek に手を出さないことです。「TIME は国際ビジネスマンの常識です」なんて、初心者の方に読むのをすすめる先生方も大勢いらっしゃいますが……。実際問題、それはまったくもって現実的とは言えません。古川 それは……さすがにいきなり難し過ぎますからね。レベル3からレベル7ぐらいにまで一気に上がってしまう。安河内 それだと、英字新聞を辞書を片手に読み始めたものの、途中で挫折するのがほとんどです。十分なインプット量の下積みなしに、急にレベルの高いもの安河内哲也:上智大学外国語学部英語学科卒。英語講師(東進ハイスクール・東進ビジネススクール)。通訳案内士、一般財団法人実用英語推進機構(PEPS)代表理事、TOEIC スコア:1390 点(4 技能全て満点)。「少年ジャンプ」レベルの英語が読めれば、まずは十分!*1 CEFR;Common European Framework ofReference for Languages の略称。語学能力のレベルを示す国際標準規格。A1 は「日常生活での基本的な表現を理解し、ごく簡単なやりとりができる」、A2 は「日常生活での身近なことがらについて、簡単なやりとりができる」というレベル。*2 YL:読みやすさレベルのこと。SSS 英語多読研究会が作成した本の読みやすさを判断する基準で、「日本人学習者にとっての読みやすさ」を0.0 ~ 9.9のレベルで表しています(p.7 も参照)。特集 始めよう! 英語多読