ブックタイトル多聴多読マガジン Vol.61 2017年04月号試読

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多聴多読マガジン Vol.61 2017年04月号試読

10 2017 APRIL安河内 古川先生は元々、数学がご専門なんですよね。古川 私は英語教育については元々は外様です。逆に言えばどこにも利害関係がないので、好きなことが言えます。多読を始めたのも、英語について「学ぶ」ことが多過ぎるので、英語を「使う」場面を増やしたいという想いからでした。現実問題、日本では英語を使いたいと言っても、頻繁に英会話ができる環境があるわけではありません。だから、日本人が英語を使うのに最も適した方法が、英語の本を読むことだと思います。英語の本を読むのは、いつでもどこでもできますから。安河内 よく、スピーキングが大事だという話になりがちです。日本人は「スピーキングは苦手だけれども、読み書きはできる」と主張する方がよくいらっしゃいます。しかし実のところ、世界標準と比べて、日本人の読み書きレベルが高いわけではありません。はっきり言うと、平均的な日本人の英語レベルは4技能とも低いんです。得意なのは文法問題だけ。「スピーキングだけできない」というのは、まったくの誤解です。古川 辞書を片手に英文を日本語に訳せるというのと、英語で読書が楽しめるというのは、実は全然別の話ですからね。単純な話で、日本人は英語が読めないから、英語を聞いたり、話したりするのが苦手なんです。英語をきちんと読むことができていれば、標準程度は英語も話せるはずですから。安河内 今の日本の英語学習の姿自体が、一言で言えば偏っているんですよ。難しい英文を受動的に解読するという明治時代の発想から抜けていません。ところが、現代はグローバル社会で、大量に流通する英語をそのまま直に読んで理解して、すぐに発信することが求められる「英語は読めるけど、話せない」というのは大きな誤解巻頭対談英文読解から、英語読書へ対談:安河内哲也 × 古川昭夫東進ハイスクール講師SEG主宰