ブックタイトル多聴多読マガジン Vol.61 2017年04月号試読

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多聴多読マガジン Vol.61 2017年04月号試読

24 2017 APRIL英語多読を進めていると、必ずぶつかる「壁」があります。しかし、多読を続けていれば、誰でも「壁」にぶつかるということを予め知っておくと、「自分ひとりじゃないんだ」と思えます。また、そんな「壁」にぶつかったときには、「あっ、あの壁か!」と、心に余裕を持っていられます。各種英語関連の試験で高得点を取得するような方でも「英語で本を読んだことがない」、「そもそも本を読む習慣がない」、「英語学習といえば問題集を解くことしかしてこなかった」など理由は千差万別ですが、英語でスラスラと本を読むのは、容易なことではありません。誰でも、せっかく購入したのに読めなかった洋書が、1 冊や2 冊はあるでしょう。何が本を読むことの妨げになっているのかがわからず、読めないのは英語力が原因と考えてしまっていることもしばしばでしょう。したがってまずは、本誌の Unit 1「多読の始め方」(→ p.14)に沿って、無理せず、やさしいレベルの本から順に読んでいくことが大切です。本誌で紹介されている選書方法やアドバイスに沿って、ぜひ多読を楽しんでください。それでも「壁」にぶつかることはあります。楽しみながら、ひとつひとつ「壁」を乗り越えていきましょう。まずぶつかるのが、「1 冊の語数の壁」それでは、多読を継続していくなかで、どのような「壁」があるのでしょうか。まずぶつかるのが、「1 冊の語数の壁」です。300 語の本を10 冊読んでも3000語、3000 語の本を1 冊読んでも3000 語、9000 語の本の3 分の1を読んでも3000 語です。どれも3000 語なので、一見すると同じことのように思えますが、どれが一番難しいと思いますか。答えは、1 冊9000 語の本です。やはり、1 冊の語数が長くなればなるほど、それだけ「多読体力」が必要となります。そんな「1 冊の語数の壁」から始まって、長時間読むための「集中力の壁」、学習者向けに書かれたGR ではなく、自然な英語、なまの英語の児童書などを読むときに感じる「オーセンティックな英語への壁(未知語の壁)」、そして何となく行きづまる「多読マンネリ化の壁」など、多読を長期的に継続していくためには、乗り越えるべき「壁」にいくつもぶつかることでしょう。それでは、そのなかの4 つの壁とその克服法について、見ていきましょう。文・柴田里実(常葉大学准教授)多読で「壁」にぶつかったら?多読相談室QA 大丈夫! 誰でも「壁」にぶつかります。Unit2