ブックタイトル多聴多読マガジン Vol.61 2017年04月号試読
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多聴多読マガジン Vol.61 2017年04月号試読
2017 APRIL 15英検2 級以上、TOEIC 550 点以上の力があればCambridge EnglishReaders Level 1(CER1、YL1.4、総語数4000 語程度、語彙レベル 400 語程度)の本からスタートする十分な力があるでしょう(→ p.28)。しかし、実際にはそれ以下の英語力の方が多いのが現実です。文部科学省が国公立480 校の高校3年生8 万人(「話す」は、1.7 万人)を対象とした、ヨーロッパ言語共通参照枠CEFR(Common European Framework of Reference)のA1・A2・B1・B2 の、どのレベルにどのくらいの生徒がいるのかを調べた2015 年の調査を見てみましょう(上表)。調査では、成績上位層の国立大学付属校18 校の生徒や帰国子女も含んでいるにも関わらず、B1 以上(英検2 級程度)の英語の読解力を身につけている方は2.8%、Writing 力を身につけている方は1.0%という結果になっています。日本人の英語能力は、「受験勉強をしている高3 時がピークで、大学では英語力はほとんど伸びない」と言われているので、一般の社会人の英語力もおそらくは同程度だと思われます。ですから、多くのA2(簡単な英語で書かれた旅行のガイドブック程度なら理解できる)レベル以下の人たちは、非常にやさしい、読みやすさレベル0(SSS 英語多読研究会が定める洋書レベル YL 0.1-0.9 に相当)程度の本から始めるのが現実的なのです(レベル0 のおすすめの本や、そのレベルの本をフルに楽しむやり方についてはp.26 参照)。よく日本人は「読む・書くはできるけど、聞く・話すのができない」と言われます。しかし、上記の調査を見れば、読み・書きの能力も決して高くないことがわかります。「読めるけど話せない・聞けない」のではなく、「流暢に読めないから、流暢に話せない・聞けない」のが現実なのです。話す訓練や書く訓練ももちろんしたほうがよいでしょう。しかし、多読している方たちを観察している限りは、読解力が上がれば、話す力・聞く力も伸びてきます。というのは、英語を日本語にここでは、多読を始めるときの基本事項や心構えを紹介。やさしい英文を読む利点や、長続きする多読のコツについても解説します。特集 始めよう! 英語多読「聞く・話す」力を伸ばすためにも、まずは「読む」力からCEFR 英検読む聞く書く話すB2以上準1 級以上0.2% 0.3% 0.007%B1 2 級程度2.6% 2.7% 1.0%A2 準2 級程度30.8% 25.0% 18.5% 11.0%A1以下3 級以下66.4% 71.9% 80.4% 87.2%2015年 文部科学省調査(国公立高校3 年生 493 校 8 万人)1.8%