ブックタイトル多聴多読マガジン Vol.60 2017年02月号 試読

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多聴多読マガジン Vol.60 2017年02月号 試読

10 2017 FEBRUARYUnit1文・小川直樹(英語音声学者・コミュニケーション向上コンサルタント)今回の特集では、イギリス英語を集中的に取り上げ、イギリスの著名人の声を使ってリスニングします。ここではまず、イギリス英語の発音の特徴について解説します。イギリス英語(British English、以下BE)に詳しくない人は、「英国は、上品な紳士淑女の国。だから、彼らの使う英語は、折り目正しく聞き取りやすい」と思いがちです。でも、英国でリアルなBE に触れたことがある人には、これが正しくないことがわかるでしょう。多くの英国人の言っている言葉は、日本人にとってよくわからないのです。何しろ、私たちが一般的にBE だと思っている英語は、「標準語」なのです。実は、標準語を話す英国人は、イングランドの人口の3 ~ 5%程度。20~ 30 人にひとりしか話していないのです。ウェールズやスコットランドなどを含めた英国全体で言えば、その比率はもっと低いでしょう。だから英国で、私たちがわかるような英語を話す人に出会うのは、容易ではないのです。なぜ、こんなことが起こるのでしょう。それは英国が古い国だからです。ある土地に、人々が先祖代々住んでいる。よそからの人口の流入がない。そんな環境では、地方独特の訛り(発音)や方言(主に語彙と文法)が発達します。だから、いくら国が小さくても、多様なBE が存在するのです。日本語もそうですよね。そのため、BE の聞き取りには、必ずこの多様性の問題がついて回ります。だからこそ、外国人にはわかりにくいのです。米国人にだってBEはわかりにくいのです。ただ、訛りや方言は多様なだけに、深入りすると切りがありません。それに、BE は標準語だけでも、米語とはちがう点がたくさんあります。一方、日本で学ぶ英語は、米語が基礎となっています。BE の聴解は、標準語であってもやさしくないのです。そこで、この特集では、標準語に絞って見ていきます。イギリス英語リスニングのコツとは?実は聞き取りにくいイギリス英語