ブックタイトル多聴多読マガジン Vol.58 2016年10月号 試読

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多聴多読マガジン Vol.58 2016年10月号 試読

10 2016 OCTOBERここではシャドーイングをするときのコツについて解説。英語らしいリズムを作り出す強弱アクセント、話者の感情を表すイントネーション、音声変化のメカニズムを知ることで、スピードアップとカタカナ読みからの脱却を図ります。 シャドーイングとは、テキストは見ずに聞こえてくる音声を聞きながら、影のように後についてその音声をマネしながら声に出していく練習法です(シャドーイングの分類については「なま素材」のp.115を参照)。 シャドーイングをすると、どのような英語力が伸びるのでしょうか。普段の「なま素材」の解説(p.113)で取り上げているような、自然な発話の中で起こる音声変化に強くなるということはもちろんですが、ここでは少し目線を変えた方向から、2点取り上げます。 まず「カタカナ読みからの脱却」の1歩目として、英語らしいリズムやアクセントを感覚として捉えることができるようになります。「カタカナ読み」というと、 /l/ と /r/ の発音の区別ができないというような問題が頭に浮かぶかもしれませんが、それよりも例えば「ドゥーユーライク イングリッシュウ?」のような感じで1語1語に力を入れて、音の高さを変化させて、日本語式に発音してしまうことのほうが問題です。英語では Do you li4ke E4nglish? のように、原則として力を入れる場所は2か所だけで、しかも音の高さが変化するのは文の区切りだけです。このようなことは理屈で理解するより、音を聞いて声に出して感覚的に理解する方が早道です。 また、聞こえてきた音をそのまま再現する訓練をしていると、普段のリスニングでもフレーズが聞こえてきた順に意味処理をする習慣がつきます。目で文字を拾うリーディングでは、例えば Yuko likes English.という文を見ると「ユウコさんは英語が好きなのだな」と言う風に、l i k e sよりも先にEnglishの意味処理をしようとしてしまいがちです。しかし、英語の語順のまま前から理解するようにしておかなければ、長文になったときに読むスピードが落ちてしまいます。シャドーイングでは、もちろん音は文の前から後ろへ流れていきますから、英語の語順のままで理解する習慣がつくのです。Unit 1挫折しないためのシャドーイングの効能とは?シャドーイングのコツ解説・中西のりこ(神戸学院大学グローバル・コミュニケーション学部准教授)