ブックタイトル多聴多読マガジン Vol.55 2016年04月号 試読

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多聴多読マガジン Vol.55 2016年04月号 試読

Introduction耳に効く、シャドーイングの方法文・玉井健(たまいけん/神戸市外国語大学教授)1リスニングまずテキストを見ないで、一度聞いてみましょう全体の意味を漠然とでも取ってみましょう。意味が取れない場合は、まず聞いている英語の種類を区別しましょう。ニュース、インタビュー、演説、日常会話など、英語にはいろいろなものがあります。あるいは話している人物は何者か、いつのことかなど……。もうひとつつかんでほしいのは、その人の英語の特徴です。テンポやイントネーションもあるでしょうし、イギリス、北米、オーストラリア、ニュージーランド、スラブ系、アジア系など、その人の出身地や民族的な特徴もわかるかもしれません。リスニングは内容の理解が最終目的です。しかし、そこに至るには多くの段階があり、まずは話される内容の全体的な特徴を捉えることが重要です。初対面のとき、言葉を交わす前の第一印象って大事ですよね。リスニングも第一印象を大切にしましょう。2マンブリング音声を聞きながら、口の中でブツブツつぶやきましょういきなりシャドーイングしようとすると、自分の声が邪魔でリスニングしにくいものです。音声を聞きながら口の中でブツブツつぶやくマンブリングは、最小限の口の動きですむので音声についていきやすく、自分の声に邪魔されることも少なくてすみます。まったく声を出さずに心の中で行う「サイレント・シャドーイング」の場合、音による負担は少ない反面、口を動かさないとどれくらい正確に自分が音声をとらえているのかわかりづらいという欠点があります。小さくても自分の声で反応していくマンブリングは、シャドーイングの導入期にはとてもよい練習となります。3テキストのチェック2のマンブリングをやろうとしたけれど、部分的にしか言えなかった人もいるでしょう。その場合は英語をテキストで確認し、意味がわからなかったところは日本語訳を見て、テキストの意味をまず理解してください。読み方がわからない語は、音声を聞いて正しい読み方を確認しましょう。時間のない人、せっかちを自認する人には、真っ先に訳を読んでから音声を聞き始める「掟破りコース」もあります。また、音声を聞きながらテキストを目で追う聞き読みをすると、左から右へ日本語に訳さずに読む練習にもなります。116 2016 APRIL