多聴多読マガジンVol.50 2015年6月号 試読

多聴多読マガジンVol.50 2015年6月号 試読 page 37/42

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概要:
2015 JUNE 121【訳】坂 茂:この場にいられることは、私の人生においてこの上なく幸せなひとときです。申し上げておきたいのですが、実を言うと……私は建築家になったあとで、建築家としての自分の職業のことでたい....

2015 JUNE 121【訳】坂 茂:この場にいられることは、私の人生においてこの上なく幸せなひとときです。申し上げておきたいのですが、実を言うと……私は建築家になったあとで、建築家としての自分の職業のことでたいへん失望したのです。というのは、私たちはもっぱら財力や権力のある特権階級のために仕事をしているのです。財力や権力は目に見えませんから、そうした人たちはモニュメント(記念になるもの)をつくるために私たちを雇い、モニュメンタルな建物(記念建造物)によって財力と権力を目に見えるようにするのです。私はモニュメントをつくることに、関心がないと言っているのではありません。モニュメントをつくることも好きです。しかし、私たち建築家は持てるエネルギーと経験と知識を特権階級のためだけでなく、一般庶民のためにも、そして自然災害によって家を失った人たちのためにさえも使うべきだと思うのです。●英語の特徴 大学時代をアメリカで過ごし、世界各地で展覧会や講演会を開催してきた経歴を持つ坂さんは、「国際語としての英語(English as an International Language, EIL)」の堂々たる使い手です。個別音の発音がネイティブ・スピーカーのようでなくても、強勢を置く位置・リズム・イントネーション・内容のある話題という要素がそろっていれば立派なスピーチとなり得るということを示すお手本のような素材です。日本語訳:山口西夏坂 茂 Ban Shigeru1957年、東京生まれ。日本の建築家。京都造形芸術大学芸術学部環境デザイン学科教授。アメリカで建築を学び、コンテナや紙管などを利用した建築で知られる。文化施設や個人住宅の設計を手がける傍ら、世界各地の被災地で一貫して支援活動を行ってきた。1985年坂茂建築設計設立。2009年日本建築学会賞作品賞、2014年コマンドゥール賞、同年、建築界におけるノーベル賞とも言われる賞であるプリツカー賞を受賞。http://www.shigerubanarchitects.comリスニング、シャドーイングのためのなま素材?連結・脱落disappointed_abou(t)、as_architectでは、下線[_]で示した部分を連結させ、カッコ[( )]で示した部分を脱落させてリズムを保っています。語末の子音に母音を追加しがちな人は、このように語尾を工夫してみましょう。?語強勢強勢を置く母音を網掛けで示しています。特にmonumentとmonumentalの強勢の位置の違いに注目しましょう。?thの発音/θ/や/d/の音は、日本語母語話者だけでなく多くの非英語母語話者が苦手とする音です。ここでは/s/の音で代用していますが、EILでは/t/に近い音で代用する話者もいます。ここに注目!