多聴多読マガジン2013年10月号 page 31/40
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2013 OCTOBER 133リスニング、シャドーイングのためのなま素材【訳】Q: (登場人物の)おばあさんはどういう人なのか話していただけますか。RH: このおばあさんは一種の「子どもの心を持った大人」で、子どもと同じ....
2013 OCTOBER 133リスニング、シャドーイングのためのなま素材【訳】Q: (登場人物の)おばあさんはどういう人なのか話していただけますか。RH: このおばあさんは一種の「子どもの心を持った大人」で、子どもと同じことができるのです。あなたの中の子どもは何歳ですか。私の場合は――私の中にも子どもがいるのですが、その子はおよそ5 歳です(笑)。私を見れば5、6 歳だとわかるでしょう。ですからおばあさんの中にも……おばあさんがいろんなことができるのは、彼女がいたずら好きでちゃめっ気があるからなのです。今ここに、メモリースティックに入れたQueen of the Waves(波の女王)という話があるのですが、おばあさんは(この話の中で)ボディーボードに乗っているのです(笑)。彼女はいろいろな種類のサーフィンができるし、バイクとか、そうしたものはなんでも持っているのです。おばあさんは私の母がモデルになっています。Q: 登場人物の名前の由来を教えていただけますか。RH: 社会階級と結びついた名前というのがあります。上流階級の人の中にはジェレミーとかフェリシティとかフィオナとかいう名前の人がたくさんいますね。そして、私やあなた方のように労働者階級はシェーンとかシャロンと名づけられています。ファーストネームで身分がわかってしまうのです。ですから、それは避けたかったのです。それで、登場人物がみんなおかしな名前になっているのです。それと、もうひとつ理由があって、えーと、もうひとつはなんでしたっけ(笑)……3 つ理由があるのですが……AB: ちゃんとした理由があるんです。教室にいる子どもたちが、自分が登場人物と同じ名前だなんてならないように。RH: ほら、架空の存在なわけですから、空想的なイメージが広がる呼び方がいいでしょう。自分がジョンと呼ばれて育っていたら、その名前が、何週間もかけて読んでいるものに出てくる登場人物と同じなんですよ。それから、そのもうひとつの理由というのは??もちろんそれには裏話があって、つまりキッパー* は本当は「クリストファー」なんですが、自分でそう言えないんです。うんと小さいとき「クリストファー」と言えなくて、「キッパー」と言ったのです。それで父親は、「そうじゃない、おまえの名前はクリストファーだよ」と言います。でも、彼は「キッパー」と言うのです。「違う、おまえの名前はクリストファーだよ!」「うん、キッパーだね!」というふうにね。そしてエリザベスは、つまりベスはビフです。わかるでしょう、ビフとベス。そして、どういうわけか、デイヴィッドはチップです。●英語の特徴 たくさんの聴衆を前にした講演会ですから、適度に間をおきながらゆっくりと話しています。また、やや難しい語を使うときには、言い換えたり、前に少しポーズを置いてゆっくり発音したりして、英語が母語でない人にも理解できるように工夫しています。話し声が聴衆の笑い声と混ざっている部分は、耳から聞こえてくる音だけにこだわらずに、背景知識や英語の知識を駆使して、聞き取れない部分を補って理解しましょう。耳に効くシャドーイングの方法(p.122-123)をご覧ください。■ L ■ M ■ 確認 ■ SR ■ PS ■ CS日本語訳:山口西夏相手が理解しているか確認するフレーズです。英語が母語ではない人がたくさん参加している講演会なので何度も使われていますが、言い方によっては高圧的に聞こえるので日常会話で使う時には注意しましょう。surrogate: 代理Gran: おばあちゃんnaughty: わんぱくなmischievous: いたずら好きなbodyboard: ボディーボード、波乗り板character: 登場人物class: 階層identify: 特定する、識別するロデリック・ハント Roderick Hunt(写真右)アレックス・ブリクタ Alex Brychta(写真左)イギリス出身の児童書作家ハントさんとチェコ出身のイラストレーターであるブリクタさんのコンビによるOxford ReadingTree シリーズは、本国イギリスでは80 パーセント以上の学校で子どもたちが読み書きを学ぶ際に用いられている。この部分はほとんど聞こえませんが、samenames as ... まで聞き取れれば後に来る語が想像できますね。聴衆も、次の語を聞く前に笑い始めています。英語の母語話者でも子どものうちは発音しづらい名前です。「クリスト」のように太字の部分に母音が入らないようにすること、ph の“f”の音に注意することがポイントです。*Oxford Reading Tree に登場する主人公の少年の名前