たくさんキクヨム中国語 page 8/30
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22はじめに……多読で「中国語の眼力」をものにする 中国語を学ぶとき、とりわけ入門後まもない基礎から初級の段階にかけての時期は、中国語独特の発音と聞き取りの力をしっかり身につけることがなによりも大切です....
22はじめに……多読で「中国語の眼力」をものにする 中国語を学ぶとき、とりわけ入門後まもない基礎から初級の段階にかけての時期は、中国語独特の発音と聞き取りの力をしっかり身につけることがなによりも大切です。母語(日本語)の音声を処理する既存の能力に加えて、新たに「中国語の口」(正しい発音ができるアウトプットの能力)と「中国語の耳」(正しく聞き取れるインプットの能力)を身につけることが、初期段階の大きな目標になります。口と耳は連動していますから、きちんと発音できない音声は正しく聞き取ることもできません。というわけで、入門から初級への段階で発音練習をおろそかにしてしまうと、中国語というボールをコントロールよく投げることもできなければ、相手からのボールをうまく受け取ることもできません。これではコミュニケーションという名のキャッチボールはできませんね。 ……という書き出しなのではありますが、実はこの文章は発音や聞き取りの力を養成する方法がメインテーマなのではありません。中国語の口と耳が大切なのは百も承知。それはもちろん承知のうえで、口と耳を鍛えながら、初級レベルから中級そして上級レベルへと向かって、中国語の運用能力をバランスよく伸ばしていくためには、書かれた文字テクストとしての中国語を読みこなせる「眼」の力を養成することも、実はもっと大切だし、結局それがまた口と耳の養成にも役立つんだよ……というお話をしたいと思います。 そこで本稿では、中国語の口と耳をトレーニングしながら、中国語をサクサクと読みこなしていけるような「中国語の眼力」を我がものとするために「多読」という強力な学習ストラテジーを紹介し、その具体的な戦略と方法論を探っていきたいと思います。多読のすすめ大阪大学大学院教授 古川 裕中国語を読みこなす 眼 力 養成講座