ブックタイトル表現英文法【増補改訂第2版】試し読み

ページ
20/64

このページは 表現英文法【増補改訂第2版】試し読み の電子ブックに掲載されている20ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

表現英文法【増補改訂第2版】試し読み

これまでの英文法学習では、例えば、関係代名詞、分詞構文、不定詞などについて学ぶものの、それぞれがどういうふうに有機的に相互連関しているかを示すということはあまりみられませんでした。このことは、断片的な知識はあっても、それが総合的な英文法力になかなかつながらないという問題と関連しています。本書では、世界(内的世界と外的世界)のとらえ方として、モノの集合としてのモノ的世界、出来事(コト)を表すコト的世界、そして、その出来事をとりまく状況としての状況世界の3つを想定します。そして、それぞれの世界を語るための文法的な道具立てとして英文法を再編成することで文法の全体像を示します。まず、モノの集合(things)としての世界を想定することができます。モノの要素はいろいろありますが、それは名詞を中心に展開する世界ということで、名詞的世界と呼ぶことができます。英語では、名詞的世界をどういう文法で記述するのか、これが名詞的世界を語る文法の骨子となります。もちろん、世界を言語的にとらえる場合、モノとモノを関係づけた出来事や状態(events & states)の世界が想定されます。出来事や状態を語る際の中心は動詞であることから動詞的世界と呼ぶことができます。さらに、出来事をとりまく状況(circumstances)を想定する必要があります。例えば「誰が何に対して何をしたか(Who did what?)」は動詞的世界の関心事ですが、出来事には、「いつ」、「どこで」、「どうして」、「どのように」といったwhen、where、why、そしてhowが関係してきます。これを言語的には副詞で表現することから副詞的世界と呼ぶことができるでしょう。モノ [things](名詞的世界)   コト [events & states](動詞的世界)   状況 [circumstances](副詞的世界)英文法力とは、名詞的世界、動詞的世界、副詞的世界について、どういう英語で、どれだけ、それぞれの世界、そして総合化された世界を語ることができるか、ということになります。名詞的世界を語るのに、最初、子どもは比較的簡単な文法を使うことからはじめ、もちろん、個人差はありますが、徐々に機能性の高い洗練された文法を身につけていきます。同じことが、動詞的世界、副詞的世界についてもいえます。もちろん、世界はこれらの3つの世界を統合・融合したもので、それぞれが独立しているわけではありませんが、英文法書の編成原理としては、名詞的世界、動詞的世界、副詞的世界という切りわけ方は有効であると考えます。しかし、この3つの世界を切り分けるというだけでは、英文法の世界は完結しません。表現はコトバの配列を通して行われるからです。だとすると、どのよう20文法の全体像:名詞的世界・動詞的世界・副詞的世界