ブックタイトル表現英文法【増補改訂第2版】試し読み

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概要

表現英文法【増補改訂第2版】試し読み

2文法のない言語は存在しません。英語学習においても、文法力が英語力の基盤になることは間違いありません。そこで、英文法を学ぶことは絶対に必要なことです。しかし、「英文法は大事だ」という際の「文法」とは何を指すのでしょうか。私たちに親しみのある学校英文法の多くは、文法項目の選定、配列、説明において類似しています。新たな試みもみられますが、基本的な構成の仕方は、英文法書の典型(プロトタイプ)というものが存在し、それをなぞる形で学習文法書が書かれているのでは、という印象を受けます。文法項目の説明に関しても共通したものが多くみられます。そして、実際、それが私たちの文法の理解のベースになっているように思われます。これまでの英文法の知見は幾多の研究成果の結果であって決して過小評価することはできません。しかし、従来の文法が英語力を高めることに十分貢献しているかといえば、さまざまな否定的な意見も聞かれます。「英文法が苦手でわからない」だとか「英文法の知識が使えない」といった意見です。実際、いろいろな調査をみると、文法がわからないから英語に苦手意識を持っている学習者も少なくありません。また、文法を学習しても英語力に直接つながらないという問題もたびたび指摘される通りです。文法知識と文法力は違うということです。では、「従来の文法で何が問題か」と問われれば、筆者は以下のふたつが最大の問題だと考えています。(1) 「全体像の欠如」問題個々の文法項目の説明は行われるが、項目が有機的に関連しあった文法の全体像が示されていないため、知識がバラバラになりがちで、実際の運用能力にはつながりにくい。(2) 「説明力の不足」問題説明に納得感を与えることが難しいことから、文法嫌いの学習者を作り出す傾向が強い。はじめに