ブックタイトル表現英文法【増補改訂第2版】試し読み

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概要

表現英文法【増補改訂第2版】試し読み

本書の基本的な考え方例えば1月のある日、AとBのふたりの女性が会話をしているとします。A(妊娠した女性)が友人Bに「赤ん坊は3月に生まれる」ということを伝えたいとします。これはAの具体的な表現意図です。このことを表現するのに、未来を展望して語るための駒のいずれかを使うことになります。しかし、Aがwill doとbegoing to doの間で迷ったとします。この「迷い」は文法力のなさの現れです。ここでの状況では、I’m going to have a baby this coming March. と表現するのが適切です。つまり、be going to do を選択しなければならないのです。しかし、それを正しく選択するためには、be going to doとwillとの違い(→p. 208-210)を直観的あるいは意識的に知っている必要があります。これが文法力です。もし、I will have a baby this coming March. といえば「そうだ、この3月にもうひとり赤ん坊を生もう(生むだろう)」という意味合いになります。表現の駒を「時制」だとか「未来表現」という用語で語れば文法項目になるわけです。しかし、いずれにせよ文法力は、言いたいことをいうための拠り所にほかなりません。もうひとつ例をみておきましょう。「彼女はロシア系の父とフランス系の母の間に生まれた」という状況を英語で表現したいとします。そこで、 She was born [ ]a Russian father and a French mother. の[ ] にどの前置詞を入れるかという問題に直面したときには、これも駒の選択の問題だといえます。ここでは to を使います。*どうして to になるのかが直観的、あるいは意識的にわかること、これが文法力なのです。表現英文法は、表現を作り出すための(そして表現を理解するための)文法です。上のwill do か be going to do かの選択や to の選択の問題は、個別事例にすぎません。文法は体系的なものです。そこで、文法を体系化するのための視点が必要となりますが、本書では、「表現者が世界について言語で語る」という視点を採用します。すなわち、世界の表現の仕方が表現英文法であり、世界をどうとらえるかによって文法の構成の仕方が決まってくるということです。*p. 516で解説する「相対(あいたい)する」というtoの意味のコアがそのまま生かされた例。She was bornで「誕生して」、[to] a Russian father and a French motherで「ロシア系の父とフランス系の母 <に相対した>」ということ。19表現意図未来を展望して語るwill do  will be doingdobe going to dobe doingbe planning to dowant to dobe going to do表現の駒状況内での表現選択