ブックタイトル多聴多読マガジン 2019年1月号別冊_決定版 映画で英語をモノにする!

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概要

多聴多読マガジン 2019年1月号別冊_決定版 映画で英語をモノにする!

42『第三の男』を劇場で50回は見たそれでは、先生ご自身の場合、好きで何度も何度も見た映画はありますか?戸田:『第三の男』ですね。高校生のときから、当時はDVDもなかったから、すべて1回1回、お金を払って映画館に行って見ましたよ。ロードショーで封切られたときから、名画座で再上映されるときまで、新聞広告を見て追っかけ回して、何年も   かけて50回は見ましたね。最後は頭の中にDVDが入って   る状態になりました。メモを取りながらご覧になったんですか。戸田:いえいえ。映画館の中は暗いし、第一、映画そのものを見たいのであって、メモをとるなんて余裕は皆無でした。とくに『第三の男』にはシビれまくっていたので、毎回、何度目でも、食い入るように画面を見ていました。「英語の勉強」なんて意識は、チリほどもありませんでした。    映画は総合芸術じゃないですか。たまにはこの監督がすごいとか、脚本がいいとか、この俳優の演技がすごいとか、あるエレメントだけが突出している映画があるけれども、総合的に作品として完成度が高い映画が素晴らしいと思う。『第三の男』はまさにすべてのエレメントがピタッとはまって芸術になっている。そういう意味では、『第三の男』は私にとって、「これぞ映画!」という、総合的に素晴らしい映画だったのです。字幕翻訳者は映画が言いたいことを見る人にちゃんと伝えることが使命先生が字幕を作る上で、最も大切にされていることは?戸田:この映画は何を言いたいのか、世界観と言ってもいいのかもしれませんが、翻訳者はそれを伝える代弁者です。この映画は何を言いたいのか、このキャラクターはどういう性格なのかを、ちゃんと映画を見る人に伝えるのが私の使命だと思っています。字幕には文字数の制限という厳しい制約がありますから、直訳なんかできない。そんなことをしたら、画面中が文字だらけになっています。そうすると、例えば50字必要なところを10字に選択しなければならないような場合、プロット上どこが必要か、キャラクターの性格がちゃんと伝わるようにとか、いろんなことを総合してここだけは伝えたい、というところを選択しなければならない。見る人が『第三の男』日本語・英語音声、日本語・英語字幕ありDVD発売:エー・アール・シー株式会社