speaking_sample

speaking_sample page 12/32

電子ブックを開く

このページは speaking_sample の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
14もう10 年以上前のことですが、研修終了後に飲み会があって、台湾の女性と「今回の研修はどうでしたか」「楽しいですね」なんてことを話していたんです。その女性が「日本で仕事をしてすごく鍛えられました。日本....

14もう10 年以上前のことですが、研修終了後に飲み会があって、台湾の女性と「今回の研修はどうでしたか」「楽しいですね」なんてことを話していたんです。その女性が「日本で仕事をしてすごく鍛えられました。日本人って素晴らしいですね。12時過ぎまで飲んでいても朝9 時になるとピシッと出社できるんですから」と言うんです。「なんだ、そこかいな」と思ったのですが、しばらくすると本音を言い始めたんです。「会社ではコピー1枚取るのでも細かいことを言われました。だけど、今回の研修費用、ホテル代、航空運賃、会社は莫大なお金を払っているのに、何で日本から来る人は何のコントリビューションもないのですか。ほんとだったら、日本の人が音頭をとって、こんな商品をこんな戦略で世界に売っていこう、などという話をしてくれるのだと思っていた。だけど寝ている人もいて、ただいるというだけ。まったく積極的じゃない。この状態はどうなんでしょうかね」と言うんです。私はそのとき、このままいくと日本は沈んじゃうな、と思いました。本当にまずいなと感じたんです。そんな思いがあって真のグローバル人材の育成のための会社を立ち上げたんです。いままでやってきて、今回のバークレーのセッションもそうしたが、日本人もだいぶやる気になってきているかな、と思いましたね。しかし、今回私は、後ろでセッションを聞いていて、頭が痛くなりました。中国人、シンガポール人、アルゼンチン人、フランス人、ニュージーランド人が話すのを聞いていて、半日でクタクタになりました。私でも理解しやすいアメリカ人の英語ならなんとかついていけるんですが、シングリッシュ、アルゼンチン人の英語、中国人の英語が入ってくるうえに、内容が非常に複雑なんですね。いま、そういうところに日本のビジネスエリートと言われる人たちは、放り込まれて存在感を出していかなければならない。そういう中では英語力を持っているべきかどうかなんかを議論すること自体が不思議な話で、英語なんかほかの国の人はできてあたりまえであって、その人のアイデンティティだとか、専門性だとか、クリエイティビティなどが問われる中で、英語ができるべきかどうかを言っている人たちは、完璧に遅れちゃっているなと思いながら仕事をやっています。布留川勝(ふるかわ まさる)グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社代表取締役2000 年に、グローバル人材育成をミッションに、『グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社』を設立。2008 年に、『パーソナル・グローバリゼーション』(幻冬舎MC)を上梓、グローバル人材の定義を発表した。2010 年にジャパンタイムズの(100 Next-Era CEOs in Asia)に選出される。ハーバード、UC バークレー、カーネギーメロン、ロンドンビジネススクール、INSEAD などトップスクールと協働し、国内では選りすぐりのリーダーシップやコミュニケーションの専門家のネットワークを構築。『グローバルと自立』をテーマに、クライアント180 社の組織開発と人材開発におけるコンサルタント、コーディネーター、ファシリテーター。