たくさんキクヨム中国語

たくさんキクヨム中国語 page 23/30

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129初中級★★訳ニワトリの思い出赤頭 子どものころから、私は動物が大好きでした。小学2 年生のとき、家では7羽のひよこを飼い始めました。私はそれぞれに、「花ちゃん」「真珠」「クロ」といった名前をつけまし....

129初中級★★訳ニワトリの思い出赤頭 子どものころから、私は動物が大好きでした。小学2 年生のとき、家では7羽のひよこを飼い始めました。私はそれぞれに、「花ちゃん」「真珠」「クロ」といった名前をつけました。中でも私のお気に入りは、全身真っ白で、頭に真っ赤なとさかがある「赤頭」でした。ひよこがすくすくと育ち、そろそろ雄鶏は時を告げ、雌鶏は卵を産むころになったある日のこと、居民委員会の代表が数人やってきました。家禽は環境衛生によくないので、明日の夕方までに家々のニワトリやアヒルを処分するようにと言うのです。 居民委員会の代表は、退職したおじいさんやおばあさんたちでした。いつもは穏やかでやさしい人たちですが、公務のときには見るからに怖い様子です。私は彼らの言うことがどれほどの力を持っているかわかっていました。前にも、家で飼っていた金魚や熱帯魚を処分するように言われ、祖父が金魚鉢の金魚を捨てたことがあったからです。私のニワトリたちもきっと逃れられないでしょう。そこで、翌日の夕方になる前に、私は「赤頭」を抱えて逃げ出したのです。ニワトリの運命 私が「赤頭」を抱えて戻ってきたときには、とっぷりと日が暮れていました。 腕の中の「赤頭」以外の6羽は、とうに羽をむしられた「死体」になっていました。 私はがらんとした鶏小屋に「赤頭」を入れると、涙を流しながら黙ってしゃがみ込み、冷たくなった6羽の体をなでました。わずかに残っていた羽から、どれが「花ちゃん」で、どれが「クロ」なのか見分けがつきました。 祖母は、「赤頭」も絞めなきゃだめだよ、でないと、ひと声鳴けば人に見つかってしまうからね、と言いました。これを聞いて、私はとうとう声を上げて泣き出しました。祖父母は降参して、しばらく相談すると、「わかったよ、絞めるのはやめにしよう。明日、『赤頭』を農村にいる友だちにあげてくるよ。ほとぼりが冷めたら、また連れ戻せばいい。どうだい?」と言いました。 翌日、私は食卓に並ぶ「花ちゃん」や「クロ」を見るに忍びず、祖父に頼んで両親の家に送ってもらい、そこで幾日も過ごしました。 それから大学に入るまで、私は鶏肉を口にしませんでした。『小点心』中の「大??」のページ陳淑梅・著『やさしい中国語で読む自伝エッセイ 茉莉花』(NHK 出版)より転載