ブックタイトル相手を動かす 英語プレゼンテーション

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概要

相手を動かす 英語プレゼンテーション

1プレゼンテーションとキャリアの関係最近ようやく日本企業もプレゼンテーションスキルの重要性に注目し始めた。せっかく高い技術を持っていても、その技術を実力以上に高く見せる他国の営業マンや技術者の前で日本企業は折角のビジネスの機会を失ってしまっているからである。日本においては輸出比率の高い企業でさえ、長期間にわたって、技術者だけではなく営業マンにも求められる英語力はかなり低めに設定されていた。日本企業の管理職に求められる英語力はTOEIC600点が平均的なスコアである。韓国ではサムスンなどのグローバル企業であればその点数が800から900点である。なぜ同じ舞台で競争しているのにここまで差があるかはほとんど説明されていないし議論もない。あたかもそこに触れることはタブーであるとの暗黙の了解があるかのようである。また、プレゼンテーションスキルがセールスにおいてどれくらいインパクトがあるのかも正しく認識されてこなかった。残念なことに2016年現在でもまだこの考え方は色濃く残っている。この理由はいくつかあるが、根っこにある理由は日本が米国のような競争社会ではないということが挙げられる。米国も日本も自由主義経済圏の一員という意味では同じ文化を共有している。しかし、根本的な違いは、米国は世界でもっとも資本主義が発達した国であり、日本は世界でもっとも社会主義が成功している資本主義国であるということである。すなわち日本という社会は、差をつけることをあまりよしとしない国なのだ。差をつけることをよしとしない国では、当然プレゼンテーションのスキルは重要視されない。プレゼンテーションの本質は、ある意味差をつけるということだからだ。さて、ここに世界でトップレベルの技術者のAさんとBさんがいたとする。Aさんは、英語が堪能でプレゼンテーションスキルの重要性もよく理解し、常に練習を欠かさない。Bさんは、英語は大嫌いで、人とコミュニケーションをすることより、現場で黙々と技術を磨くことを生きがいとしている。高度経済成長期には、Bさんのような技術者が大半であった。そしてそのまま無事に退職金をもらい、使い切れないほどの年金をもらっている人たちが多くいる。それが日本における高度経済成長期のロールモデルであった。もちろんそのために、団14